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2020
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愛媛の高校スポーツ 指導者ファイル

<4>玉井剛(53) 新田高男子バスケ部監督 楽しさと自主性軸に 魅力あるチーム目指す

2020年5月6日(水)(愛媛新聞)

 

 新田高男子バスケットボール部を率いた30年間で、全国高校総合体育大会(インターハイ)、全国高校選手権(ウインターカップ)とも19回の出場を誇る。指導者としてはベテランの域に入っているが、愛媛のバスケ界を担う人材を育てる情熱は変わらない。

 高校バスケットボール界は、留学生全盛の時代が続き、県内の高校が全国大会で勝ち上がることは難しい現状にある。それゆえ有力中学生が県外の強豪校に流出する傾向も止まらない。

 そんな中で玉井剛が重視するのは、遮二無二勝利を追求することではなく、選手も観客も楽しめるチームをつくることだという。目指す指導理念やチームづくりを語る際、何度も「魅力を感じてもらえるように」と力を込めた。

 「『プレー』という言葉にはどういう意味があるか。やっぱり『遊ぶ』という要素がないと、つまらんでしょ」

 1人で個人技術を磨く練習は減らし、ゲーム性の高い対人練習を多用。走り込みでも仲間とパスをつなぎながら走る。自主性がなければ楽しさもないだろうと、試合中のタイムアウトでは、指示よりも先に「どうするのがいいと思う?」と選手に尋ねている。指導者としてのキャリアの中で練習内容や考え方は変わったというが、楽しさと自主性という軸は変わっていない。

 玉井は高校時代、「指導者の顔色を見ながらやっていた」という。だが、大学で出会ったトップクラスの選手は、自身でやるべきことを考え、自らに厳しいトレーニングを課していた。一瞬の状況判断が重要な競技であり、すべての局面で指導者の指示を仰ぐことはできない。自分で考えて努力し、自己責任のもとで挑戦する過程にこそ、上達の鍵と本当の楽しさがあると知った。

 バスケットボールを始めた中学時代、ボールに関わる機会の多さ、展開の速さ、シュートが決まる爽快感に魅了された。「人とボールがよく動く」と評される新田のスタイルは、小柄な選手が多いチームが全国の強豪と戦うために編み出されたもの。それは自身が中学生の頃に感じた「楽しさ」を凝縮した戦術でもある。

 楽しさの追求がチーム内外の人の心を惹きつける魅力となり、やがては強豪校を倒すほどの武器になる。それを証明したいと言う。

 玉井は競技の楽しさを教わった中学時代の恩師に憧れ、指導者の道を選んだ。最近、部内では教職を目指す生徒が増えたという。「好きなことをやっているから、確かに仕事は楽しい。でもそんなに楽をしよるように見えるんですかね、子どもらには」。照れたように白い短髪に手をやりながら、最高にうれしそうな笑顔を浮かべた。(敬称略)

 

 【たまい・つよし】 松山市出身。新田高、順大卒。97年に新田高監督就任。06年から3年間、男子U-18日本代表アシスタントコーチを務めた。

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