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2020
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愛媛の高校スポーツ 指導者ファイル

<1>大野康哉(48) 松山商野球部監督 「夏将軍」復活に挑む 今治西導いた手腕 期待

2020年5月3日(日)(愛媛新聞)

 

 この15年間で今治西を春夏通算11度の甲子園に導いた大野康哉にとって、新たな挑戦が始まる春となった。19年間甲子園から遠ざかる名門・松山商への赴任。これまで培った手腕を振るい、「夏将軍」復活に挑む。

 「新鮮さと同時に不安もありますが、やらなければならないことをしっかりと見て、周りの期待に応えたい」。具体的な目標に言及はなかったが、大野の言葉には決意がこもっていた。松山商への異動が意味することを本人が十分に自覚しているからだろう。

 それは、高校野球史上で唯一、大正、昭和、平成の各元号で全国制覇(春夏通算7度)を成し遂げ、夏の甲子園では中京大中京(愛知)、龍谷大平安(京都)に次ぐ3位の勝利数を誇る「夏将軍」の復権にほかならない。

 「長らく甲子園に出場できていませんが、松山商業だからこそできる環境づくりや良さがあると思う。それを進めていきたい」

 だが、松山商での船出は新型コロナウイルスという見えない敵に阻まれている。野球部の寮に夫婦で移り住み、初めて練習に顔を出すはずだった4月8日、県立学校の部活動は感染拡大の影響で急きょ停止に。選手にはまだ自身のユニホーム姿も見せられていない。

 「これまで松山商でやってきた選手がいる中に仲間入りさせてもらうわけですから、選手に指導者として認めてもらうのが最初の仕事」と話す。現状に歯がゆさがないわけではない。ただ「大きな試練ですが、乗り越えれば得られるものも大きいはず。選手にも今できることを考えて備えるように伝えています」と、新たな教え子たちと白球を追う日を待ちわびている。

 2001年夏の甲子園でベスト4に入って以降、甲子園から遠ざかる松山商。入れ替わるようにして県内公立の雄として存在感を強めたのは今治西だった。大野が監督となる前年の04年は、上甲正典率いる済美が創部2年で春のセンバツ優勝、夏の選手権準優勝を達成した。偉業を目の当たりにし「愛媛にも私立の時代が来た。済美を倒さないと甲子園はない」と感じた大野は「守り」をチームづくりのベースに据えた。

 鍛え上げられた守りに加え、チーム力も大野の今治西の強さだった。40人以上の部員がいる今治西で、公式戦に出られない選手の居場所をつくることに大野は腐心してきた。ブルペンキャッチャー、打撃投手、ベンチでの声出し役-。「(レギュラーになれなかったという)結果に満足はできなくても、納得できる居場所をつくって、やりがいを持たせることが指導者の役目」

 そのために、大野は選手一人一人を大切にしてきた。今治西でここ10年ほど退部者が出ていないという事実は、控え選手たちにもチーム内で納得できる役割を与えられている証左だろう。

 「15年間いましたからね。今治西の選手たちへの心残りはありますよ」。正直な気持ちを口にしつつ大野は、新たに委ねられた名門再建の使命をしっかりと見据える。「今はまだ、『今西の大野』というイメージだと思うんですけど、『松商の大野』と見てもらえるように、心を尽くしたい」(敬称略)

 

 【おおの・やすや】 今治市出身。今治西高、筑波大卒。今治西監督就任2年目の06年以降、13年を除き15年まで毎年、甲子園大会出場に導いた。

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