松山市
小児がん患者に助成 ワクチン再接種費用全額
2020年4月18日(土)(愛媛新聞)
松山市は新年度、小児がんの治療や骨髄移植などによって予防接種で得た免疫を失った子どもに、ワクチン再接種費用を助成する支援制度を設けた。県内ではこれまで、松前町と砥部町が個別に特例として補助しているが、制度化は初。
治療で免疫が失われた子どもは感染症にかかれば重症化しやすいため、ワクチン再接種の必要性、緊急性は高い。しかし、自治体が負担する「定期接種」(10種類以上)は、再接種の場合は自己負担がほとんど。最大20万円程度かかる。治療のために退職せざるを得ない親や、治っても長年にわたって通院が必要な子どもも多く、経済的な負担、不安は大きい。
市保健予防課は「年間2人程度の利用を想定し、全額を助成する。今後、市のサイトなどで周知に努めたい」としている。初年度の事業費は58万2千円。
全国でも助成制度がある自治体は5%程度(2018年)と少ない。しかし、要望があればその都度補助を検討する自治体もある。小児医療関係者は「県内どこに住んでいても支援が受けられるのが理想。まずは諦めず、相談してみてほしい」と話している。