新型コロナ影響
Bリーグ残り試合中止 優勝なし OVは地区3位確定
2020年3月28日(土)(愛媛新聞)
バスケットボール男子のBリーグは27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今季の残りのレギュラーシーズンや年間王者を決めるチャンピオンシップ、1部(B1)と2部(B2)の入れ替え戦など残り全試合を中止すると発表した。今季優勝チームはなく、各地区の順位が確定した。
B1からB2への降格はない。B2は勝率上位2チームが4月に行われる審査を経て、B1クラブライセンスが交付されれば昇格する。来季の2020~21年シーズンはB1は20チーム、B2は16チームで争う。
B2西地区の愛媛オレンジバイキングス(OV)は13試合が中止。今季は24勝23敗、地区3位の成績が確定し、来季のB1昇格はなくなった。
ウェブ上で記者会見した大河正明チェアマンは「情勢は日に日に悪くなっている。選手やコーチ、クラブ関係者の心身の健康を最優先した」と説明した。Bリーグは新型コロナ感染拡大の影響でリーグ戦を約2週間中断。14日に無観客で再開したが選手らの発熱で再度中断し、4月4日からの再開を目指していた。
【消化不良 PO進出逃す OV主将「覚悟していた」】
愛媛OV4年目のシーズンは、思わぬ形で打ち切られた。今季はプレーオフ(PO)進出チーム数が4から8(各地区2位までとワイルドカード2チーム)に拡大され、2位に3ゲーム差、ワイルドカード進出圏内には1ゲーム差まで肉薄していたところだった。
全試合中止を受け、主将の俊野達は「覚悟はしていた。選手やファンのことを考えた難しい結論だったと思うが、異論はない」と語った。最初に試合延期が発表された2月下旬以降、リーグ戦の見通しは不透明となり、一時はPO規模縮小の可能性も浮上。モチベーション維持の難しさに加え、感染者の多い地区での試合や移動時の感染リスクも懸念され、多くの選手は複雑な心境でこの1カ月を過ごしたはずだ。
振り返れば今季は最後まで苦戦続きだった。俊野佳やボールケルの途中加入もあり、チーム最多タイの8連勝を達成したこともあった一方で、戦術や連係面の徹底の甘さから2連戦を「1勝1敗」で終えることが多く、実力通りに勝率を伸ばせないもどかしさがあった。
俊野達は今季最後の試合となった15日の香川戦の敗戦を踏まえ「中止にならなければPOに行けたかも、とは言えない」と吐露した。選手、ファンともに消化不良は否めないが、ウイルス禍という外的要因でPO進出を逃したことを嘆くより、大一番で敗れた結果を受け止めて来季の糧とする方が重要だということだろう。
チームは「また皆さんと会場で再会し、アグレッシブな試合を届けられるよう全力で取り組む」とのコメントを出した。道半ばにして、チームや選手は来季に向けた取り組みに移ることになる。俊野達は「来季ベストを尽くすためにも、今から準備できることはある」と言い聞かせるように語った。