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友達どうのではなく「四国のため」と言ってほしかった

加計学園問題 誘致関わった加戸前知事インタビュー(2017年5月31日付 愛媛新聞)

2017年5月31日(水)(愛媛新聞)

獣医学部新設を巡る問題について語る加戸守行前知事=2017年5月29日午後、松山市道後町1丁目

獣医学部新設を巡る問題について語る加戸守行前知事=2017年5月29日午後、松山市道後町1丁目

(肩書や年齢などは、紙面掲載時のものです)

 

【不足獣医師確保に意義 負担 市民が誇れるか次第】

 

 学校法人加計学園(岡山市)が国家戦略特区の今治市で計画する岡山理科大獣医学部新設を巡り、安倍晋三首相の意向が反映されていたとする記録文書の存在を文部科学省の前事務次官が認め、国会で論争が続いている。前愛媛県知事(1999~2010年)として獣医学部の誘致に関わった加戸守行氏に、当時の経緯や現状についての見解を聞いた。

 

 

 

 ―獣医学部誘致の経緯は。

 

 知事在任中に困っていたのが、牛や豚などの動物を扱う公務員獣医師が不足していたことだ。狂牛病や鳥インフルエンザへの対応をはじめ、2010年に宮崎県で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が確認された際は四国に上陸させない態勢を取る中で、獣医師に大きな負担がかかった。

 

 (05年に)新今治市が誕生後は加計学園による獣医学部新設の話が持ち上がり、市の学園都市構想の実現と県が求める獣医師の確保の一石二鳥ということで飛び付いた。構造改革特区で提案したが、日本獣医師会の反対などがあり実現しなかった。

 

 (09年に)民主党政権に変わり、当時の県選出国会議員と文科省へ陳情に行って好感触を得るなど風向きが変わったと思ったが、政権交代で逆戻りした。その後、第2次安倍政権で国家戦略特区ができ、死にかかっていたのを呼び戻された感じだ。

 

 

 

 ―安倍首相の意向については。

 

 安倍首相が加計学園の理事長と友人だからと(意向を)言っていたとしたら、10年、5年前に(獣医学部が)できていたかもしれない。今回の問題は大阪市の学校法人「森友学園」問題のあおりを受けた。

 

 大切なのは何か。愛媛は畜産業が盛んで、牛や豚などに由来する感染症予防のために獣医学部の設置は意義がある。友達どうのこうのではなく、安倍首相には「国の戦略として感染症対策を四国地区のためにやるべきだ」と言ってもらいたかった。

 

 

 

 ―「加計学園ありき」との指摘がある。

 

 愛媛に獣医学部をつくってくれるのならば、どこでもいい。ただ、今日まで粘り強くやろうと協力してくれたのは加計学園だ。計画の中身を見てほしい。定員160人に対して従来よりも手厚い教員数を確保し、高度なレベルの教育を目指している。安易にもうかるからやろうとしているわけではない。

 

 

 

 ―文科省の前川喜平前事務次官が記録文書の存在を明言した。

 

 前川氏は(自身の文部省時代に)部下だった。有能で度胸があった。「行政の在り方がゆがめられた」と言っているが、その前に獣医師不足を解決できていない文科省の態度を反省すべきだと思う。後輩なので悲しい。

 

 

 

 ―用地の無償譲渡、施設整備費の負担などについて今治市民らから妥当性を問う声がある。

 

 多くの学生と教員が住み着き、活気にあふれた若者の街になることを市民が望むか望まないかだ。獣医学部をつくってくれるならば土地を無償で提供する、金も出すという市議会の方針だった。そのための負担であり、市民が誇る学校であるかどうかで判断すべきだ。

 

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