愛媛新聞ONLINE

2021
418日()

新聞購読
新規登録
メニュー

交付税 国政策に矛盾

えひめ平成の大合併10年・インタビュー編 加戸守行前知事(下)(2015年3月10日付 愛媛新聞)

2015年3月10日(火)(愛媛新聞)

旧松山市、北条市、中島町の合併協定調印式で握手する(左から)武田満幸中島町長、中村時広松山市長、加戸守行知事、井手順二北条市長=2004年7月、松山市(役職は当時)

旧松山市、北条市、中島町の合併協定調印式で握手する(左から)武田満幸中島町長、中村時広松山市長、加戸守行知事、井手順二北条市長=2004年7月、松山市(役職は当時)

(肩書や年齢などは、紙面掲載時のものです)

 

 ―「平成の大合併」が進む前、地方交付税が減らされると盛んに言われ、自治体関係者は恐れていた。その後、国は三位一体改革(2004~06年度)などで交付税を大幅に削減。だが、08年のリーマン・ショックや09年の民主党政権誕生の影響で回復したとされる。

 

 これは国の政策の矛盾。結局、(交付税を)切らなかったということ。一方で、合併自治体は合併11年目から(特例措置終了で)交付税が段階的に減る。合併しなくても国から来るお金が変わらないなら「合併しない方が良かった」と皆思うだろう。

 

 (合併論議が行われていたころ)国は(小規模自治体に手厚くする)段階補正の見直しで小規模市町村の交付税を切り込んできた。「やっと公平の原則でやり始めたか」と思っていたら、国会議員が首長に泣きつかれ、「これ以上、小さい自治体をいじめるな」とブレーキがかかった。最終決定は政治家。

 

 

 

 ―交付税の揺り戻しがあるとは思わなかった?

 

 合併した正直者が損をしたというような結果が若干出たかなと思う。小規模町村の生き残りは難しいと考え、合併へ尻をたたいたのに、残っていても生き残れるのだったら、無理してたたいた努力は何だったのかという、かすかな悔いは残る。

 

 

 

 ―08年の本紙インタビューでは、10年後には道州制と連動した第2の合併があり、旧県地方局単位の5市に再編されると予測した。

 

 道州制になれば国の出先機関が不要になり、膨大な国家公務員が消える。愛媛県は四国州の支局になり、県地方局が消える。道州がカバーできるのは20~30の市とイメージした。国、道州、市の3層構造となり、合理化、効率化できるだろうと考えたが、霞が関(官僚)に抵抗されて、つぶれた。

 

 

 

 ―県内市町長に2014年秋にアンケートしたが、道州制導入には反対との回答が多かった。「道州制が進むと道州間で経済格差が拡大し、道州間で選択と集中が進み、地方切り捨てが進むと危惧している」との声も聞かれた。

 

 道州制は、日本がしっかりとした足腰をもって生き残るために必要。「四国州になると最小の州だから惨めな思いをする」とだだをこね、「四国は貧しいから東京が面倒をみろ」と叫び続ける20世紀的発想は、もう通用しないのではないか。

 

 

 

 ―合併は今後もあるか。

 

 道州制が進まなければ、あまり進まないのではないか。

 

 

 

 ―合併をやり過ぎたなという思いは。

 

 ありません。誇りに思う知事時代の仕事の一つが市町村合併だ。

 

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。