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生き方の選択、自分らしく

松山で「人生会議」を考える講演会 地域看護専門看護師 吉田美由紀さん

2020年1月22日(水)(愛媛新聞)

「私もまだ家族と人生哲学について話せてない。まず聞くことから始めたい」と語りかける吉田美由紀さん

「私もまだ家族と人生哲学について話せてない。まず聞くことから始めたい」と語りかける吉田美由紀さん

 「自分が何を大切にして生きてきたのか、今の自分にとって何がより幸せか。何かを決めなくてもいいから、そんな話をいっぱいしましょう」―。誰もがいつか直面する、人生の最終段階。家族や医療ケアチームに希望を伝え、その人らしく納得して過ごせるよう話し合う「人生会議」についての講演会がこのほど、松山市であった。

 NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会が主催。在宅医療に長く関わる地域看護専門看護師で、愛媛大大学院地域健康システム看護学助教の吉田美由紀さんが「自分らしい選択のために ~『人生会議』ってなに?」と題して講演した。

 吉田さんは現状について「子どもは遠方、単身世帯が増え、近所のつながりも薄れた。医療費が膨らみ介護資源も限られる中、国は『地域包括ケアシステム』をうたい、地域で支え合って自分たちでやってくれと言い出した」と説明。昔はかかりつけ医が家族丸ごと知っていて「お任せ」で良かったが、今は「選択肢が増え、あなたはどうしたいかと問われ続ける。療養場所や生活の優先順位などの希望、意思を身近な人に伝えておかないと望む選択をしてもらえない」と、意思決定の重要性に触れた。

 ただ人生会議を、延命治療をどこまでするかといった「終末期の治療やケアだけを決める場」と捉えると「難しいし、分からないですよね。本当に話し合うべきは、その人が大切にしたい人生軸、価値基準だと思います」。生きがいや家族への思い、社会との関わり方…。普段から会話を重ねることで、意思が伝えにくくなっても「あの人ならこう考えるはず」と周囲が希望をくみ、最期までその人らしく過ごせるのでは―厚生労働省のポスター問題を機に、そうした考え方が広がりつつあるという。

 頑固に「最期まで家にいたい」と言い続けた、ある1人暮らしの男性のケアは「大変だったけど迷わずに済んだ。無理に入院させなくて良かったと皆が納得できた」と、体験を語った吉田さん。人生会議の意味を「私という人間がどのような人生を歩んできたのか、他者に知ってもらいましょう」「そのことで、私の意思が尊重されるよう環境を整えておきましょう」と定義し、自身の人生の振り返りや、子どもや主治医に価値観を伝えること、情報収集などを勧めた。

 改まって人生観について語りにくい、という人には「一人で考えるより、誰かと話す中で整理され、見えてくる」「私はこう思う、といきなり発表するより、『こういう時って、あなたはどう思う?』と聞くと、自然と考えがまとまってくる」とアドバイス。タブー視せず、何度でも気軽に語り合ってみて、と結んだ。

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