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愛媛出版文化賞 受賞者に聞く

<5>奨励賞/第2部門 美術 「ABE ANJIN」 ミウラート・ヴィレッジ編・発行

2020年1月10日(金)(愛媛新聞)

「後々まで手にとってもらえる作品集を目指した」と語るミウラート・ヴィレッジ学芸員の米屋公美子さん

「後々まで手にとってもらえる作品集を目指した」と語るミウラート・ヴィレッジ学芸員の米屋公美子さん

【伝統と斬新さが調和 独自世界 提示の作品集】

 漆黒の背景に巧みなライティングで浮き立つ陶器。桃山時代の「彩色備前」を手掛ける岡山県瀬戸内市の陶芸作家、安倍安人さんの作品集だ。極彩色の着色と彫り込まれたデザイン、いびつとも言える非対称で不ぞろいな造形美。伝統と斬新さが調和した独特の世界を提示する。2018年、三浦美術館「ミウラート・ヴィレッジ」(松山市堀江町)での個展に合わせ制作した。

 「作者やファンにずっと手に取ってもらえるグローバルな作品集にしたかった」と同館学芸員の米屋公美子さん(39)。「安倍さんはもちろん、カメラマンや執筆者、印刷など関係者のおかげ」と受賞を喜ぶ。

 安倍さんは大阪生まれだが愛媛とのゆかりは深い。幼少から高校まで西条市で育ち、絵画を学ぶため上京した後、松山での会社員時代に画家として注目され、その後陶芸に転向。1986年、岡山で窯を開く。桃山時代の造形や焼成を試みながら、自由奔放な作品で海外に活動を広げ、ニューヨークのメトロポリタン美術館や台湾の故宮博物院などにも作品が収蔵されている。

 ミウラートでの企画展は8年ぶり2回目。米屋さんは初の担当で安倍さんの作品について「鮮やかな赤に美術館創立者の三浦保(三浦工業グループ創業者)の陶板作品に通じ合うところがある」と感じたという。

 作品集は色の忠実さよりも陶器が持つ雰囲気や奥行きを重視して制作。最近作を中心に57点を紹介した。米屋さんが最も苦労したのが日本語、英語、中国語と3カ国語による多国語表記。解説やあいさつ、略歴などの翻訳を丹念に校閲。特に中国語には神経をとがらせたという。

 気鋭の愛媛ゆかりの芸術作家を紹介する展覧会など独自の企画を手掛ける同館。「フットワークの軽さを生かし、若手や旬の作家を中心に企画展を開いていきたい」と展望している。

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