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「閉鎖空間」把握難しく 使用ルール作りを

SNS子ども被害潜在化 県警・県内教育現場 犯罪へ注意呼び掛け

2020年1月5日(日)(愛媛新聞)

子どもたちにインターネットの安全利用を指導する情報モラル教室=2019年12月17日、松山市山越3丁目

子どもたちにインターネットの安全利用を指導する情報モラル教室=2019年12月17日、松山市山越3丁目

 

子どものSNSを巡る問題や対策について語る松山商業高の忽那浩校長=2019年12月11日、松山市旭町

子どものSNSを巡る問題や対策について語る松山商業高の忽那浩校長=2019年12月11日、松山市旭町

 県内外で会員制交流サイト(SNS)で知り合った女児が誘拐されるなど、SNSと子どもを巡る事件が相次いでいる。県内では小中学生の携帯電話・スマートフォンの所有率が右肩上がりにある中、県警や教育関係者は、横ばいの被害に遭った子どもの数も実際にはもっと多く潜在しているとし、保護者や子どもたちに注意を促している。

 

 県内では、松山西署が2019年7月、SNSで知り合った10代の女子生徒を「車で迎えに行くからおいで」などと誘い、自宅に約1カ月の間住まわせたとして、未成年者誘拐の容疑で三重県の男(28)を逮捕した。男は非公開のまま他のユーザーとやりとりできる「ダイレクトメッセージ」などを使用し、1週間ほど悩み相談などのやりとりを行ったという。

 

 19年11月には、大阪府で容疑者がツイッターで知り合った女子小学生(12)を誘拐したとされる事件が発生。ダイレクトメッセージを使ったとみられる。

 

 愛媛県警少年課によると、県内のSNSに起因する事件の被害に遭った18歳未満は14年17人、15年18人、16年19人、17年13人、18年16人とほぼ横ばいだが、同課は「見えない被害はもっと多いのでは」と指摘。SNSも次々に新たなサービスが出てきており、利用契約者情報を照会できず捜査の手がかりをつかみづらいものもある。

 

 被害に遭った子どものほとんどは閲覧制限「フィルタリング」を掛けられておらず、親にも危機意識がないことが多いという。県警では、少年課員が扮(ふん)する青少年健全育成ヒーロー「フィルタリングマン」の講座などを開催。保護者対象の講習会も行っており、家族内でのルール作りの必要性を訴える。ほか愛媛大教育学部とも連携し、学生を講師として小中学校に派遣する情報モラル推進員制度に取り組んでいる。

 

 県警生活安全企画課によると、親が気付きづらいゲーム内でのチャットなどを問題視し、教育現場からも「閉鎖されている空間で起こることで捉えづらくなっている」などの声が上がる。県教育委員会は研修会などで生徒指導の担当者から学校の現状を把握したり、専門家を講師に教員向けの講座を開いたりしている。

 

 

 

【情報モラル教育必要 松山商高 忽那校長】

 

 県総合教育センターの情報教育室長として勤務経験のある松山商業高校の忽那浩校長に、子どもを犯罪に巻き込む契機となる会員制交流サイト(SNS)の現状や対策などを聞いた。

 

 

 

―子どもにとってSNSとはどんな存在か。

 

 いつでも、どこでも、誰とでもつながれるツール。共通の趣味を持ち何でも話せる「友達」がおり、煩わしくなれば簡単に断ち切られる。ストレスのはけ口、悩みや不安を打ち明ける居場所でもある。

 

 

 

―なぜ顔も分からない人を信用するのか。

 

 最初は子どもも警戒する。やりとりするうち、何を話しても否定せず、認めてくれる相手を信用していく。危険だとなんとなく分かっていても「お金をあげる」「○○を買ってあげる」などの誘いに乗り、会いに行くケースもある。

 

 

 

―子どもを守るために大人は何ができるか。

 

 子どもがどんな状況で生きていて、何が起きているかを知る必要がある。フィ

 

ルタリングも大切だが、子どもを取り巻く環境を理解した上で、安全な利用方法

 

を身に付けさせるための情報モラル教育が必要だ。

 

 

 

―子どもはインターネットとどう関わればいいか。

 

 インターネットやスマホは非常に便利なツールで利用することは大前提にした上で、友達同士でルールを作ったり、生活の中でのバランスを取ったりする「自制心」が、安全かつ有効に活用し、自分を守ることにもつながる。

 

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