卓球高校選抜県予選
男子 松山北4年ぶりV 女子 済美12年連続優勝
2019年12月22日(日)(愛媛新聞)
卓球団体の全国高校選抜県予選は21日、県武道館で男女各8校が参加し、予選と決勝リーグを行った。松山北が4年ぶり3度目の頂点に立ち、女子は済美が12年連続23度目の優勝を飾った。
2位は男子が松山聖陵、女子は今治南。男女上位2校が四国大会(来年2月2日・徳島市)に進出。四国大会の上位男子3校、女子4校が全国大会(3月26~28日・千葉市)に出場する。
【男子・松山北 想定外の事態にも集中】
男子は松山北が完勝。集中力を維持して実力を発揮し、前評判通りの強さを見せた。
予選リーグから接戦が相次ぎ、決勝リーグ最終戦が始まるころには午後4時が迫っていた。会場使用時間のリミットは午後5時だったため、優勝を決める一戦は周囲で片付けが進む中で行われた。
松山商に対してシングルス2戦を連取した松山北は、ともに今夏の全国高校総体に出場した主将の隅川、島田のエースコンビがダブルスに登場。盤石の展開だったが、騒然とする会場に「試合とは違うところで気を取られた」と隅川。最初のゲームを落とし、嫌な空気が流れかけた。
しかし崩れなかった。「いつもストレートで勝てるわけじゃないし、次から頑張ろうと思った。切り替えがうまくなってきた」(隅川)と3ゲーム連取で快勝。島田は「大事なところでしっかり勝てたのは収穫」と納得顔だった。
普段から練習メニューや試合のオーダーを選手主体で考え、流れの中で駆け引きを繰り返す卓球の「考える力」を養ってきた。「ひ弱にならず、しっかり集中できていた」と大西監督。想定外の事態に、精神的な自立が光った。
【女子・済美 全国見据え内容に不満】
予選から全勝で12連覇を飾った済美の選手らに笑顔はなかった。優勝を懸けた今治南との一戦は、木塚監督が「一歩間違えば負けていた」と振り返る接戦に。さらなる高みを見据えるチームにとって、気を引き締め直す栄冠となった。
今治南との決勝リーグ最終戦は、互いに勝てば優勝の大一番。11月の新人大会でも顔を合わせた相手に、3―2まで迫られた。
シングルスとダブルスで2勝を挙げたエース木塚は「苦しい場面で守りきる粘りがチームの伝統だけど、今日はそれが足りず雑になってしまった」。優勝を決める勝利をストレートでもぎとったシングルスの泉も「2セット目までは自分のプレーができたけど、第3セットは攻めすぎてミスが出た」と反省を口にした。
勝利に内容を求めるのは目指す全国の壁を知るからこそ。今夏インターハイで団体5位を経験する木塚は「(ラリーで勝機を探る)今ままでのスタイルではトップには行けない」と、より攻撃的なプレーを模索している。この日は強引さが裏目に出る形も多く「中身の部分から見直したい」。目標は全国ベスト8以上。県内女王の座を守るだけで満足はできない。