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えひめ防災・減災 いよゼロプロジェクト

命守る情報は行動は ペットと逃げる/住民の教訓

2019年12月17日(火)(愛媛新聞)

非常用持ち出し袋に入れておきたいペットフードや常備薬などのグッズ。「ペットとの同行避難に欠かせない」と高岸ちはり代表

非常用持ち出し袋に入れておきたいペットフードや常備薬などのグッズ。「ペットとの同行避難に欠かせない」と高岸ちはり代表

「大雨の時は家にいるより避難した方が安心」と亀井恵理子さん。自宅のある地区(右)の裏手には斜面があり、近くには川も流れる=4日午後、伊予市中山町佐礼谷

「大雨の時は家にいるより避難した方が安心」と亀井恵理子さん。自宅のある地区(右)の裏手には斜面があり、近くには川も流れる=4日午後、伊予市中山町佐礼谷

非常用持ち出し袋に入れておきたいペットフードや常備薬などのグッズ。「ペットとの同行避難に欠かせない」と高岸ちはり代表

非常用持ち出し袋に入れておきたいペットフードや常備薬などのグッズ。「ペットとの同行避難に欠かせない」と高岸ちはり代表

「大雨の時は家にいるより避難した方が安心」と亀井恵理子さん。自宅のある地区(右)の裏手には斜面があり、近くには川も流れる=4日午後、伊予市中山町佐礼谷

「大雨の時は家にいるより避難した方が安心」と亀井恵理子さん。自宅のある地区(右)の裏手には斜面があり、近くには川も流れる=4日午後、伊予市中山町佐礼谷

 気候変動の影響で豪雨による大規模な洪水、土砂災害が毎年発生するようになり、数十人、数百人規模の犠牲者が出ている。県内も昨年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた。地球温暖化によって豪雨災害はさらに頻発化し、激甚化するといわれている。ただ浸水や土砂災害は適時、的確に避難すれば家屋などに被害は出ても、命を失うことはないはずだ。犠牲者ゼロに向けて実際に避難した県民の体験談や具体的な避難方法を紹介する。

 

<ペットと逃げる>

【えひめイヌ・ネコの会 高岸代表に聞く】

【普段からケージ慣れさせて/フードや水 5日分は用意を/誰が連れ出すか決めておく】

 災害時、ペットを飼っている人は一緒に逃げる「同行避難」が原則だ。東日本大震災では一緒に避難できなかった飼い主の心理的影響やペットの野生化が問題となった。国はガイドラインに飼い主の役割を明記し、避難所にスペースを設けるよう各自治体に呼び掛けている。ペット防災管理士養成や同行避難訓練に取り組む認定NPO法人えひめイヌ・ネコの会(松山市)の高岸ちはり代表(67)に家庭での備えを聞いた。

 

 避難所には動物が苦手な人やアレルギーの人もおり、人間と別スペースが必要。飼い主は、ペット同士がけんかなどをしないよう基本的にキャリーやケージに入れ、避妊・去勢のほか、ワクチン接種やノミ・ダニの駆除など病気予防をしておくのが大前提だ。

 しつけも大切。犬はほえるため、ほかのペットや人間のストレスになる。おとなしく過ごせるよう日ごろからキャリーやケージに慣れさせる訓練をしてほしい。しつけやワクチン接種は適正飼育でも不可欠で、飼い主が避難時にすべきことは普段の延長だ。

 ペットの非常用持ち出し袋には、ペットフード▽水▽シーツ▽常備薬▽リード▽食器▽タオル▽おもちゃ―などを備えておく。フードや水は約5日間分。重たいので差し迫った状況の場合、持ち出すのは最低限のフードと水、常備薬で構わない。避難による環境変化はペットにとっても負担。ストレス軽減のため、食べ慣れたフードを用意する。

 はぐれた場合に備え、身元や飼い主が分かるよう迷子札やマイクロチップの装着が望ましい。飼い主はペットの写真やカルテを持っておいたほうがいい。

 家族での協議も重要だ。災害時、自宅に誰もいないこともあれば、子どもだけということもあり、誰がペットを連れ出すか決めておく。すぐ、どこからでも逃げられるよう非常用持ち出し袋を玄関、寝室、リビングなど複数箇所に置いておくといい。

 抱っこが難しい大型犬は歩かせて避難せざるを得ない場合もあるが、地震や風水害による倒壊物などで足をけがする恐れも。普段の散歩で犬用ソックスを履かせて慣らす必要がある。避難場所をコースに入れるなどし、途中の危険箇所や迂回(うかい)路の把握も欠かせない。

 飼い主とペットが同じ空間で過ごす「同伴」専用避難所があるのが理想だが、県内では同行避難自体が浸透しておらず、西日本豪雨での対応は自治体や避難所ごとにまちまち。飼い主は地域の避難所で受け入れ可能か確認し、代わりの場所も考えてほしい。飼い主が自治体などに要望していくことも必要だ。

 「ペットは家族」との考え方が広まる中、1匹の犬や猫が家族以外の被災者を和ませることもある。ペット防災は、人間のための防災でもある。

 

<住民の教訓> 

【たとえ空振りでも安心】

 市や町から避難勧告が出ても行動を起こす人はまだまだ少ない。実際に避難を経験した住民は「逃げてみて初めて分かったことも多かった」と語る。

 

【車いす移動 幸い冠水なく】

 2017年9月、台風18号の影響で重信川の出合水位観測所(松前町)はいつ越水してもおかしくない「氾濫危険水位」を超え、戦後最高の5・65メートルを記録した。

 近くに住む同町西高柳、自営業有光マツミさん(78)は夜、テレビで避難勧告が発令されているのを知った。当初は「まあ大丈夫だろう」とあまり気に留めなかったが、息子夫婦から避難を促す連絡があり、慌てて準備を始めた。

 気が付けば屋外は大雨と強風で大変な状況。「もっと早く避難すれば良かった」。息子が迎えにくるまでの約30分間、準備しながら不安と焦りが募った。

 車いすを利用する80代の夫と避難。薬など大事な物は手に取ったが、非常用持ち出し袋は慌てていて持ち出せなかった。幸い道路は車いすを押して歩ける状態で「冠水していなくて本当によかった」。

 自宅は無事だったが「避難する必要がなかったとは思わなかった。また温かい布団で寝られる、空振りで良かったという心境だった」と振り返る。それからは大雨になると、息子夫婦にスマートフォンで重信川の水位が大丈夫かを確認してもらっている。

 

【日没前に動く 声掛け合って】

 同じ日、山あいの伊予市中山町佐礼谷に住む主婦亀井恵理子さん(60)は家族や親族と避難した。

 自宅のすぐ裏に斜面があり、目の前には川が流れる。夕食の支度中に台所で激しい雨音に気付き、天窓から雨漏りもしてきた。これまでになかった経験で心配になって外に出ると、川があふれんばかりに増水しており「このままでは危ない」と身の危険を感じた。薄暗い中、土砂崩れが起こっていそうな道路を避けて避難した。

 この教訓を生かして、18年7月の西日本豪雨では日が暮れる前の午後4時ごろ、近隣の高齢者にも呼び掛けて避難した。2度の避難経験を通して亀井さんは思う。「家にいて土砂崩れを不安に思い続けるよりも、避難した方がずっと安心できる」

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