質問内容の約半分
新居浜市議、一般質問で教授の文章無断引用
2019年12月13日(金)(愛媛新聞)
開会中の12月新居浜市議会で、10日に一般質問した自民クラブ所属の男性議員(64)=7期=が、質問内容の約半分で他人の文章を無断引用していたことが12日までに分かった。執筆者の北海道大大学院の宮脇淳教授や発行元に使用許諾の連絡をしておらず、発言の中でも引用したとする説明はなかった。
男性市議が引用したのは、図書館総合研究所(東京)が2015年から不定期発行している「政策を見る眼(め)」の第70号、71号、74号。総合計画や行政事務の効率化などについて新居浜市の姿勢や所見をただした部分を除き、接続詞などを含めた文章表現をそのまま使っていた。愛媛新聞社の取材に対し、市議は無断引用を認めている。
市議は宮脇教授の勉強会に参加したことがあり、引用した「政策を見る眼」も普段から読んでいたという。「市の重要課題に対する質問を分かりやすい言葉で伝えようとした。(原稿を自分の言葉に)書き換えなければいけないと思っていたが、時間がなかった」と話している。
宮脇教授は「内容は全国に共通する視点で整理している。活用の際には、各自治体の実情に合わせて見直す必要がある」と指摘。「地方自治体の職員や議員に問題意識を持ってもらうために公開しているので、活用してもらえることは喜ばしい」とした上で「政治家としての軸となる内面的規範を自身に問い直してほしい」としている。