ログイン
Myページ
Myページ

愛媛新聞ONLINE

2019
126日()

ログイン
Myページ
愛顔会員Myページ
MENU

松山の「ジュリ」 パートナーと訓練中

待ってる「ワンダフルな」暮らし 介助犬を目指して

2019年12月3日(火)(愛媛新聞)

「さあ、次は何?」―。羽原さんの横で指示を待つジュリ

「さあ、次は何?」―。羽原さんの横で指示を待つジュリ

 「ジュリ、サイド」。パートナーとなる女性に呼ばれ、ジュリ(雌、2歳)が、女性の横にピタリと付く。ついさっきまでベッドでまどろんでいたのに、もう「仕事モード」に変わっている。女性の指示に意識を集中し「さあ、次は何をするの?」―。

 ジュリは介助犬として、松山市の一般社団法人ドッグフォーライフジャパン(砂田真希代表)が育成中。広島県に住む女性がジュリを希望している。来春予定されている認定試験に合格すれば、愛媛県内の事業所が育成した初めての介助犬になる。

 合格に向け、ジュリと女性の「合同訓練」が今夏スタートした。

 

やや緊張した表情で、初めてジュリとエスカレーターに乗った羽原さん(右)。念のため砂田さんと一緒にリードを持つ

やや緊張した表情で、初めてジュリとエスカレーターに乗った羽原さん(右)。念のため砂田さんと一緒にリードを持つ

やや緊張した表情で、初めてジュリとエスカレーターに乗った羽原さん(右)。念のため砂田さんと一緒にリードを持つ

やや緊張した表情で、初めてジュリとエスカレーターに乗った羽原さん(右)。念のため砂田さんと一緒にリードを持つ

【県内育成で初認定へ 来春試験に挑戦】

【「一人での行動もジュリと一緒なら」 パートナー広島の女性】

 広島県福山市に住む羽原真輝名さん(33)は、二分脊椎症のため、右半身の感覚がまひし、筋力も弱い。体の左右のバランスが取りにくく、転倒しやすい。夫の省吾さん(29)は出勤後、家に残した羽原さんが心配で、毎日昼休みに安否確認の連絡をスマートフォンに入れる。「ちょうどソファから落ちかけているところだけど、生きてるよ」と返答したのも、ジョークではなく本当のことだ。

 「介助犬が欲しい」と思った羽原さんは、補助犬の啓発活動などを行っている「広島ハーネスの会」を通じて、今年3月、訓練士の砂田真希さん(43)=松山市=に相談。ジュリとパートナーになることが決まり、7月に合同訓練を開始した。介助犬希望者は、候補の犬との合同訓練を40日以上受け、認定試験に合格しなければならない。砂田さんがジュリを車に乗せ、月2回のペースで福山市を訪問。1泊2日、2泊3日と徐々に期間を延ばして慣れていった。

 砂田さんは、希望する障害者に合わせて、さまざまな介助動作を教えている。ジュリは、横になった人の体を起こす▽階段の昇降や起立時に支えになる▽落とした物を拾う―などの動作を習得。合同訓練では、羽原さん一人でもジュリがきちんと動けるよう、練習を重ねている。

 羽原さんの「命綱」ともなるスマホを捜して持ってくるのも、大切な仕事。見つけたら本体を傷つけないよう、ストラップをくわえる。いすの上に置いたとき、ジュリは「クーン」とかすかに鳴いて、困り顔で砂田さんを見上げた。それまで「いすの上の物を取る」経験はなかったので、くわえていいか判断が付かなかったのだ。スマホ一つとっても、生活の中でさまざまなシチュエーションが考えられ、細かな詰めの作業が必要になる。

 間もなくこれまでで最長となる約2週間の合同訓練が始まる。ジュリを羽原さんに預けた後、砂田さんは松山に戻り、よほどの緊急事態でも起きない限り顔を見せない。「2週間寝食を共にすることで、心理的距離がぐっと縮まり、意思疎通がスムーズにいくようになるんです」

 本当は犬が苦手だったという羽原さん。初めはジュリに触るのも恐る恐るだったが、今では朝夕の散歩やブラッシングも一人でできる。無意識のうちに「ジュリちゃん、ジュリちゃん」と話し掛けていることが増えた。「周りに心配をかけず、一人で行動できるようになりたい。ジュリと一緒ならできそう」。羽原さんの夢が実現するまで、あと少しだ。

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。