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県内重要水道施設 停電対策 半数止まり 大規模断水災害時恐れ 対応急務 4市に国指摘

2019年10月5日(土)(愛媛新聞)

 

市之井手浄水場に設置されている非常用自家発電設備=9月26日、松山市溝辺町

市之井手浄水場に設置されている非常用自家発電設備=9月26日、松山市溝辺町

 

市之井手浄水場に設置されている非常用自家発電設備=9月26日、松山市溝辺町

市之井手浄水場に設置されている非常用自家発電設備=9月26日、松山市溝辺町

 台風15号による千葉県の停電で浄水場などが稼働できずに断水が続くなど、水道施設で停電対策を講じる重要性が改めて指摘されている。厚生労働省の調査(2018年末公表)では、病院や福祉施設、避難所など市町が定める「重要給水施設」につながる水道のルート上にある県内の水道施設のうち約半数で、自家発電設備設置などの対策が講じられていない。特に新居浜、東温、伊予、大洲の4市では重要度の高い施設の対策が未実施で、大規模な断水が起きる恐れが指摘されている。

 厚労省は西日本豪雨などを受けて水道施設の停電対策の状況などを緊急点検し、結果を公表した。同省や県によると、県内の調査対象は、市町や水道企業団が管理する重要度の高い取水、浄水、配水の計380施設。うち168施設は重力を利用した自然流下による送水が可能。送水にポンプが必要な残り212施設のうち、自家発電設備があるのは27施設で、停電対策ができている施設の割合は51・3%だった。

 厚労省は浄水機能を持つ重要施設の一部で停電による大規模断水が生じる恐れがあると判断し、20年度までに自家発電設備の設置などに取り組むよう各水道事業者に依頼している。

 愛媛新聞による県内各市町への取材で、厚労省が大規模断水が生じる恐れがあると指摘し、対策を求めている施設は、新居浜市の瑞応寺配水池▽東温市の南吉井浄水場▽伊予市の宮下浄水場▽大洲市の柴(しば)浄水場―と分かった。

 県環境政策課は「給水車や備蓄などで飲料水は確保できても、風呂やトイレなどが使えないと県民は困るため、停電対策は重要」とコメント。ただ、給水人口が減少し収入が減る一方、管路耐震化や停電対策が必要になっていると難しさも指摘し「国には支援拡充を要望し、市町と連携して優先順位を付けつつ、災害対応力強化に引き続き取り組む」としている。

 

【予算に制約 耐震化優先 市民の料金負担増も 自治体担当者 頭悩ます】

 人口減少や節水意識の高まりなどによって、市町など水道事業者の水道料金収入は減る一方、順次整備してきた施設や管路の老朽化が進み、維持管理や耐震化が求められている。そこへさらに千葉県での停電による断水長期化で、停電対策の重要性も急浮上。財政状況が厳しい中、対応を迫られる県内の自治体担当者は頭を悩ませている。

 県内のある市の担当者は「災害による長時間停電の経験はないが、南海トラフ地震は確実に起きるといわれている。防災対策をするほど費用が水道料金にも跳ね返り、市民に負担を強いることにもなる。限られた予算では、まず管路耐震化が優先になる」と停電対策推進の難しさを語る。

 厚生労働省が対策を求めた施設を有する新居浜、東温、伊予、大洲の4市のうち、新居浜市以外は、常設の自家発電設備こそないものの、自治体所有や、民間から借りる可搬型自家発電設備で対応する態勢を組んでいる。しかし、予算面などから、今以上の対策を講じる具体的な計画はないとしている。新居浜市は現状では対応していない可搬型自家発電機を接続できるよう、施設の改修を検討しているという。

 厚労省からの指摘がない施設も対策が万全とは言えない。松山市溝辺町の市之井手浄水場には非常用自家発電設備があり、3日間の浄水処理が可能な重油を備蓄している。しかし、市公営企業局によると、多量の電力が必要な送水ポンプには非対応。市中心部には同浄水場からの自然流下が可能だが、停電時には標高の高い配水池への送水はできなくなるという。

 今後、送水ポンプ用の自家発電設備導入も検討しているが、予算の制約から計画は具体化していない。浄水も3日以上の長期停電の場合は対応できなくなり、市公営企業局は「四国電力によるいち早い復旧を待つことになる」と実情を吐露。家庭での水の備蓄といった「自助」も求めている。

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