発信!高校生記者 えひめ愛顔スポーツ 特大号Vol.2
<国体・障スポ 活躍誓う>松山盲学校・全国障スポ大会 大舞台 雰囲気楽しみたい
2019年9月20日(金)(愛媛新聞)
第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」が9月28日に、第19回全国障害者スポーツ大会「同ゆめ大会」が10月12日に開幕する。両大会に出場する選手や指導者に、県内5校の高校生記者が密着。新たな時代を切り開く若い力を紹介する。

ソフトボール投げの練習に取り組む松山盲学校の田中愉大さん

ソフトボール投げの練習に取り組む松山盲学校の田中愉大さん

「全国ではリラックスしてプレーしたい」と決意を示す松山盲学校の船木天清さん

「全国ではリラックスしてプレーしたい」と決意を示す松山盲学校の船木天清さん
【松山盲学校 全国障スポ大会 大舞台 雰囲気楽しみたい】
松山盲学校高等部専攻科理療科2年の田中愉大さん(25)と中学部3年の船木天清さん(15)が、茨城県で開催される全国障害者スポーツ大会に県代表として出場する。田中さんは男子ソフトボール投げと砲丸投げ、船木さんはサウンドテーブルテニス(STT)。2人は「大会の雰囲気を楽しみたい」と心待ちにしている。
田中さんは新田高校時代、硬式野球部で3年間プレー。卒業後、はり・きゅうの専門学校に進んで資格を取り職業にした。23歳の時、脳腫瘍の影響で視力を失った。昨年4月、あん摩マッサージ指圧師の資格を目指して同校に入学した。
投てきは同校の教師に勧められて始め、実家で過ごす休日に練習。家族らに付き添われ、河川敷でソフトボール投げに励む。今年5月の県障がい者スポーツ大会では、59メートル61を投げ優勝した。
船木さんは生まれつき目の病気で視力が弱く、宇和島市の小学校から同校に進学。STTを始めたのは部活動見学がきっかけだった。「先輩がすごいスピードで球を打っていて、かっこよかった」と振り返る。
STTはアイマスクをし、金属球入りのピンポン球をラケットで打ち、ネットの下を素早くくぐらせる。
「ハンディに関係なく対等にできるのが魅力」と練習に熱中。県障スポ大会を制して全国切符を手にした。
2人にとって初の全国大会。田中さんは「ソフトボールで70メートル以上投げ、優勝したい」と力強く表明。船木さんは「支えてくれた友達や家族、先生への感謝を忘れず、恥ずかしくないプレーをしたい」と静かな闘志を燃やしている。

松山盲学校 高等部1、2年

松山盲学校 高等部1、2年
【目線】
【松山盲学校 高等部1、2年】
初めての全国大会を前に、2人とも落ち着いているように見えた。楽しみたいというのも共通点だった。大きな舞台で堂々とプレーし、力をいかんなく発揮してほしいと心から思った。(N)