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道後・椿の湯併設「いこいの家」

福祉入浴施設有料化に困惑 障害者「負担大きい」

2019年9月17日(火)(愛媛新聞)

浴室などに手すりがあり重度の身体障害者らが入浴できる「いこいの家」=11日午前、松山市道後湯之町

浴室などに手すりがあり重度の身体障害者らが入浴できる「いこいの家」=11日午前、松山市道後湯之町

 松山市内の重度の身体障害者らに無料で入浴サービスを提供してきた市営の福祉入浴施設「いこいの家」(同市道後湯之町)で、市は10月から大人200円、子ども70円の入浴料を徴収する。無料制度について「見直しが必要」という市の包括外部監査の指摘を受けての対応だ。これに対して、毎日のように利用する障害者や家族らは「なぜ福祉を後退させるのか」と撤回を求めている。

 いこいの家は道後温泉椿の湯に併設され、身体障害者手帳1、2級、下肢3級、被爆者健康手帳の所持者と介添人が利用できる。市民は無料で、市外からの利用は大人400円。清掃管理は障害者が担い、雇用の場にもなっている。

 複数の利用者によると、重度障害者にとって自宅の浴室は狭く、大衆浴場もバリアフリー設備の乏しさなどから危険が多いという。いこいの家は脱衣所や浴室に手すりが備わっているほか、個室のため配偶者など異性でも入浴介助できる。

 無料制度の見直しを求めたのは、2017年度の包括外部監査。報告書によると、市は16年度に一般会計から負担金補助・交付金として電気代、上下水道代、送湯料の計約832万円を支出(清掃管理委託料は別)。年間利用者は延べ8547人だが実態は約60人の固定客で、市が1人当たり約14万円を負担していると指摘した。

 報告書では、浴室にバリアフリー設備があり、身障者手帳1、2級、下肢3級を持つ大人が200円で入浴できる道後友輪荘(同市道後町2丁目)と比較。同施設の料金を参考に、いこいの家の利用者負担を検討すべきだと結論付けた。

 これを受けて市は19年3月定例市議会に、有料化と利用対象に重度の知的障害者を加えることを盛り込んだ条例改正案を提出。年間約60万円の収入を見込む。

 利用者には困惑が広がっている。週5日ほど通う男性(63)は「(安全面などの理由で)他に入浴できる場所がなく、交通費や労力をかけて行っている。いこいの家は福祉施設なのに、設備などが違う施設と同一視して有料化するのは違和感がある」と強調。現在のペースなら1カ月約5千円、年間約6万円の出費で「負担が大きい。消費税の増税と同時で多くの人が困る」と訴える。

 入浴介助者について、福祉サービスのヘルパーは無料だが家族らは有料とすることにも憤りの声がある。左半身が不自由な男性(68)は妻の介助を受け利用しており、2人で1カ月約1万円になるという。「これまでのようには利用できない」と唇をかむ。

 「私たちは何も説明されず、意見も聞かれなかった」。8月下旬、利用者と家族やヘルパーら12人が市役所を訪れ、障がい福祉課の職員に疑問をぶつけた。ヘルパーの男性は「入浴は(体の)可動域を広げるなどQOL(生活の質)の維持・向上も目的。家の風呂は危険が多く、事故が起きると外出できなくなりQOLがどんどん落ちる」と危機感をにじませた。一方、同課の担当者は「いこいの家を存続するための措置で理解してほしい」と説明し議論は平行線をたどった。

 有料化について同課は「市議会の承認を得ており、白紙化や再検討は考えていない。利用者に理解してもらえるよう周知や案内に取り組む」としている。

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