首都圏出荷や輸出狙う
魚の血抜き 鮮度上々 ハマスイ(愛南)が特許取得
2019年9月13日(金)(愛媛新聞)
愛南町深浦の水産加工会社「ハマスイ」(浜田嘉之社長)が鮮魚の血抜きで独自技術を確立。魚臭さの軽減や鮮度の保持に成功し今夏に特許を取得した。ハマスイは町内の魚類養殖企業や加工事業者などと一般社団法人「愛南元気100年プロジェクト」を設立。この特許技術を提供し、地域と連携しながら愛南町の魚を全国、世界へ売り出そうとしている。
浜田社長によると、血抜きの技術は3年ほど前から研究。「水産業に携わり35年。行き着くところは鮮度。鮮度のいいものを、いいままに届けるためには血の処理だった」。試行錯誤の中で魚の毛細血管の血液までほぼ抜き取る方法を確立。「身の弾力が長持ちし臭みが減った」。愛媛大に依頼した調査でも締めてから数日間、魚の細胞が壊れず、血合いの色も長持ちした。首都圏への出荷や海外輸出で今まで以上の価値付加が狙えるという。
先月下旬、東京で開催された展示商談会「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」で披露したところ、業界関係者の反応がよく、特に外国人から好評だった。愛南元気100年プロジェクトへの参画の打診もあったという。
浜田社長は「愛媛の最南端で世界と戦える武器ができた」と胸を張る。特許取得に伴い鮮魚の新商品も開発。タイは「LaBREAM(ラブリーム)」、ブリは「LaBURI(ラブリ)」とネーミングし、10月末ごろから一般に流通させる方針。