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届け支える手―小児・AYAの県内がん対策

<中>若年の在宅患者 望む療養生活実現へ前進

2019年9月12日(木)(愛媛新聞)

県内の小児・AYA支援の専門家が若年在宅療養の厳しい現状と支援を訴えた県がん相談支援推進協議会=7月、県庁

県内の小児・AYA支援の専門家が若年在宅療養の厳しい現状と支援を訴えた県がん相談支援推進協議会=7月、県庁

 「若い世代の患者を支える公的制度は、本当に少ない。がくぜんとしました」

 県がん対策推進委員会の専門部会、県がん相談支援推進協議会が7月に開かれた。テーマは「若年がん患者支援制度について」。県内小児(0~14歳)・AYA(15~39歳)世代のがん医療や福祉制度に詳しい5人を参考人に招き、課題や必要な施策を聞いた。

 「がんの場合、亡くなる1カ月ほど前に急に容体が悪化する。介護ベッドやポータブルトイレが必要になるが、介護保険が使えない若い患者は全て購入になり10万円近くかかる」「退職などで収入がなく経済的に困窮する中、自身の療養だけでなく子育てや両親の介護など、何重にも負担がある場合も。精神的にも大変でサポートが必要」…。

 県地域がん登録によると2015年の全罹患(りかん)者1万1717人中、AYA世代は220人。数が少ないがゆえに支援策が手薄で、在宅療養を望んでも容易に実現できない厳しい現実がある。

 18歳未満(最長で20歳未満)であれば、がんを含む小児慢性特定疾病の場合、医療費などの助成がある。65歳以上になると介護保険制度があり、40~64歳でも医師が回復の見込みがない末期と認めたがん患者は、06年から介護保険を使えるようになった。

 しかし、20~39歳の若年がん患者だけが「制度のかやの外」。介護保険制度におけるケアマネジャーのように相談できる人や、必要な支援にたどり着くのさえ難しい。福祉サービスを受けるには身体障害者手帳の申請が必要だが、認定に時間がかかって間に合わないことも。患者の介護を年老いた両親が担い、収入が年金のみなどの場合、家族への遠慮から在宅療養を諦めざるを得ないという。

 「支援制度が少しでもあれば、家で過ごしたいと考える人も増えてくるのではないか」。40歳以上なら当然に受けられる支援を、何とか若年患者にも―参考人らは口をそろえた。

 若年の在宅療養がん患者への支援は、患者会や県推進委でも以前から要望が上がっていた懸案。県健康増進課は「協議会の意見を聞き、何らかの支援が必要だと思っている。どういう仕組みにしたらいいか、市町の声も聞きつつ制度設計している段階」とし、実現に向け前進しつつある。

 昨年度は、独自の支援制度を設けている他県の例を調査。ウィッグの購入費などを一部助成する「アピアランス(外見)支援」に取り組む自治体(宮城、福井など7県)もあったが、愛媛では協議会の要望が強かった「在宅療養支援」(介護保険サービス利用料の9割相当助成など、茨城、兵庫、鹿児島県)に絞って、具体化を目指している。

 協議会では、事後申請を可能にするなど時間的余裕がない中での手続きの迅速化を求める声も。また「医療と福祉をつなぐ知恵袋として、(障害者支援に当たる)相談支援専門員の役割が大きい。人材育成やネットワーク作りが重要では」などの意見が出た。

 協議会委員で、NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長松本陽子さんは、助けがなく苦労した多くの若年患者を見送った思いを胸に、10年以上前から支援を訴えてきた。「年齢だけを理由に、望む療養生活が送れないことがないよう、制度による公平な支援が必要だと思っています」

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