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2019
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Eのさかな 宇和島市出身の作家・片山 恭一さん

[前編]愛媛の魚の美味しさを全国へ

2019年9月4日(水)(その他)

 「Eのさかな」は愛媛県の魚を中心に食・自然・観光などの文化を全国に紹介していきます。今回は宇和島市出身の作家・片山 恭一さんに故郷の魅力と魚文化について寄稿いただきました。

 

沖ノ島ハマユウ

沖ノ島ハマユウ

沖ノ島ハマユウ

沖ノ島ハマユウ

【ホウタレ】

 ホウタレ、ぼくにとっては懐かしい名前だ。亡くなった父が若いころ好んで食べていた魚で、お酒の肴には、これがいちばんいいと言っていた。安月給の公務員だったので、負け惜しみも多少はあったかもしれないが、他の高級魚よりも口に合ったのは事実だったようだ。

 カタクチイワシというのは通常は干物などに加工されることが多い。傷みが早いからだろう。しかし新鮮なホウタレの刺身は、子どもの口にも美味しいと感じた。魚屋さんの店頭でザルに盛られているホウタレは、青く光って見た目もきれいだった。これを買ってきて刺身にするわけだが、このとき包丁の類は一切使わない。素手、というか指だけで刺身にしていく。傷みが早いのは身がやわらかいからだ。親指と人差し指でちょっとひねると、頭は簡単にもげてしまう。臓物を取り除き、手でしごきながら骨をはずしていく。慣れると調理も早い。うちの母などはてきぱきと三枚におろしていた。冷水でさらして水分をしぼり、皿に盛って出来上がり。素朴なところがいいのだ。ほとんど漁師料理の延長みたいなものだったのかもしれない。

 

片山恭一さん

片山恭一さん

片山恭一さん

片山恭一さん

 

【Profile 片山 恭一(Kyoichi Katayama)】

 1959年1月5日、愛媛県宇和島市に生まれる。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『なにもないことが多すぎる』『新しい鳥たち』などがある。

 

[後編]愛媛の魚の美味しさを全国へは、9月下旬頃に掲載予定です(提供:Eのさかな/佐川印刷)
 
 「Eのさかな」は「さかな文化」を代表とする愛媛の食・暮らし・自然・文化などを取り上げ、分かりやすく情報を発信するフリーペーパーです

 

 

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