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山瀬理恵子の行ってこ~わい 愛媛食材で愛あるアス飯

①みかん鯛のさつま汁(宇和島市)1皿で栄養満点にアレンジ

2019年8月21日(水)(愛媛新聞)

山瀬理恵子の行ってこ~わい①みかん鯛を使ったさつま汁のアレンジ(本編)

 

 

 料理研究家の山瀬理恵子さんが愛媛県の農林水産物の生産者とふれあいながら、旬の食材を使った家庭料理を「アスリート飯(アス飯)」に仕上げる新企画「山瀬理恵子の行ってこ~わい ~愛媛食材で愛あるアス飯~」。初回は宇和島市のタイを使った郷土料理「さつま汁」をアレンジ!

 

【ミカン×タイ 初回は愛媛を代表するコラボ食材】

 

 食材やロケ地を選定中、山瀬さんから「絶対やりたい!」と熱烈なリクエストを受けていたのが「さつま汁」。タイは愛媛の県魚で「魚の王様」とも言われており、船出を飾る食材に最適。というわけで8月某日、車に乗り込み宇和島市に出発進行~!

 

 到着したのは中田水産(宇和島市坂下津)。目の前には快晴の空、穏やかな海、沖合の九島に架かる九島大橋という絶景が広がり、山瀬さんは猛暑にも負けず「海が青くてきれーい」とハイテンション。出迎えてくれたのは同社社長の中田力夫さん(50)。同社が養殖するのは、かんきつの皮を餌に混ぜて育てた「みかん鯛」。愛媛を代表するミカン×タイという最強コラボ食材だ。

 かんきつの皮を混ぜたペレット状の餌を与えると、身の変色を防ぎかんきつの香りがほのかに残る。魚の生臭さが消えるため、魚嫌いの人にも好評という。開発段階で中田さんが手を挙げ、試行錯誤の末、量産化に成功。年間で8万尾出荷する。全国に広がっている「フルーツ魚」の先駆者だ。

 

 

 

 

 「あちらのいけすに餌やりに行きます。船で一緒に行きましょう」。漁船に乗るのが初めての山瀬さんはウキウキ。1分ほどで着き、いけすに降り立った。黒い網が掛かっているのに気付いた山瀬さんに、中田さんは「タイの色素は赤いので、日よけしないと紫外線で真っ黒になってしまうんです」。美肌を守る対策はタイにも必要らしい。

 中田さんが餌をまくと、海底からタイが集まりパクパクと勢いよく食い付く。午前4時から自社の機械で魚粉や小麦粉、アジなどを混ぜた餌を作り、餌やりだけで毎日6時間かかるという。味のポイントになるのがかんきつオイル。「この香りが身に付くんです。ただ、入れすぎると健康になりすぎて身が締まってやせてしまうので、バランスを取りながら与えています」と中田さん。オイルを手に振りかけると爽やかな香りが広がる。

 山瀬さんも餌やりに挑戦。餌に群がるタイを中田さんが網でひとすくいし、慣れた手つきで素早く血抜きする。ピンクがかったみかん鯛は目元に青いアイシャドウがばっちり。健康な証拠だ。中田さんから託された極上の食材を手に、宇和島市遊子に向かった。

 

【遊子の漁家レストランに到着】

 

 

 同市遊子水荷浦で段畑の絶景を眺めた後、さつま汁を作ってくれる山内満子さん(52)宅を訪問した。山内さんはアオノリを養殖するスリーラインズ(同市)の社長。長男の歌吉さん(30)夫婦は自宅で漁家レストラン「三代目歌吉の店」を営み、地元食材をふんだんに使ったコース料理を一日1組限定で提供している。

 山内家のさつま汁を早速クッキング!歌吉さんがささっと三枚おろしに。「身は刺身で食べるので、頭やあらを使います」と満子さん。焼いた身を食べやすいようにフードプロセッサーにかける。「我が家のさつま汁は忙しいときに作るものなので、こうすれば時短です」。

 

 味の要となるみそは「我が家はこれしか使っていない」という井伊商店(同市)の麦みそ。すり鉢にタイとみそを1:1の割合で入れ、小刻みにすっていく。山瀬さんが「身がふわふわしていますね」と声を上げる。

 ここで、バーナーを使って少し焼き目を入れるのが香ばしさを出すひけつ。次にすり身をのばしていく。タイの分量が多い山内家は、だし汁の代わりに水を使う。「一気に入れると混ざらないので少しずつ入れてください」。最後に輪切りにしたキュウリを混ぜ、玄米ご飯にかけ、大葉やすりごまをトッピングすれば栄養満点のさつま汁が完成した。

 

【理恵子、ひらめく】

 

 「愛媛に来て食べた料理で感動したのがさつま汁です」と山瀬さん。試食し「みその味が引き立ってみずみずしい。夏バテのときにいいですね」と二口、三口ともぐもぐ。

 …ピン!!

 

 ひらめいた様子の山瀬さん。さあ、満子さんのさつま汁をベースにアス飯にアレンジ!。

 「タイやみそを使ったさつま汁はもともと栄養価が高いです。植物性タンパク質と動物性タンパク質を一緒に取るとアミノ酸の摂取バランスが良くなります」。

 

【追加食材①絹豆腐 手軽にビタミンB摂取で夏バテ防止】

 

 

 そこでアス飯食材①「絹豆腐」を追加。タイと麦みそを入れたすり鉢に絹豆腐を手で崩しながら入れる。「夏は汗でビタミンが流れ出るので、ビタミンB群が豊富な絹豆腐がおすすめ。夏バテ予防の今の時期にすごくいいレシピです。筋肉を付けたいときは木綿豆腐がいいです」とワンポイントアドバイス。水を入れすぎても豆腐やみその量でとろみを変えやすく、山瀬さんは「失敗がない料理ですね」と太鼓判を押す。

 

【追加食材②スダチ ミネラル、タンパク質の吸収アップ】

 アス飯食材②は「スダチ」。かんきつ類に含まれるクエン酸はミネラルの吸収を助ける効果があり、ビタミンCはタンパク質の吸収を上げるため、魚や絹豆腐との食べ合わせが最適。刺身や冷奴を食べる際に少し搾るだけでも手軽に栄養アップにつながる。

 トッピングに使う食材も、小さいながら大きな働きをしている。ネギのアリシンはタイやすりごま、絹豆腐に含まれるビタミンB群と結びつくと疲労回復効果が持続する。ネギの白い部分にアリシンが豊富なので細かく刻むのがいいという。ネギの他にニラやニンニクにも同様の作用がある。大葉は殺菌、防腐作用があり夏におすすめの食材。細かく切ると成分をより抽出できるそうだ。すりごまにはカルシウムやマグネシウムが豊富で、足がつるのを防ぐ効果がある。

 

 

 

 

 満子さんが陸上養殖しているアオノリをお裾分けしてもらいトッピングにプラス。「ノリは鉄分が豊富で栄養価がぐんと上がる。アスリートは海外遠征などに持って行くんです」(山瀬さん)とプロ選手の秘密を教えてもらったところでアス飯完成!

 

【1皿で栄養バランス満点の郷土料理】

 試食には中田さんが駆けつけ、3人でアス飯版さつま汁を味見。中田さんは「香ばしくてタイの味がしっかりしている。何杯でも食べられます」と笑顔。満子さんは「かんきつの味が口の中に広がります。いつもはこんな複雑な味にならない」と驚く。山瀬さんは「さつま汁は1皿で全てまとまっている素晴らしいレシピ。これは郷土料理が素晴らしいことがベースにある」と南予の郷土料理の底力を再認識したようだ。

 みかん鯛の一部は刺身に。弾力ある身と口の中で広がるかんきつの香りに、箸が止まらなかった。

 

 次回は、久万高原町のトマト生産者の所に行ってこ~わい!

    材料2、3人分

    鯛の切り身
    50g
    麦みそ
    40g
    150cc
    絹豆腐
    1/4丁
    スダチ
    1個
    玄米ご飯
    1合
    薬味(大葉、刻みのり、すりごま、小ネギ)
    適宜

    鯛を焼いて身をほぐし、すり鉢に入れてする。焼いた麦みそを加え、すり鉢ですっていく。

    絹豆腐を①に手で崩し入れ、上から水(またはだし汁)を少しずつ入れる。ダマがなくなるまでする。仕上げにスダチを絞り入れ、全体になじませる。

    茶わんにご飯を盛り、上から②をのせる。仕上げに千切り大葉、刻みのり、小ネギ、すりごまをのせる。

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