常夏の楽園 フィジーと美しいサンゴ礁の水族館
<8>ミナミトビハゼ 尾びれで跳び危険回避
2019年8月15日(木)(愛媛新聞)

ミナミトビハゼ

ミナミトビハゼ
熱帯、亜熱帯のマングローブ林のある泥干潟に生息するハゼの仲間です。潮が引いた干潟で胸びれを器用に使って歩くように移動し、危険が迫ると尾びれで跳びはねて逃げます。水面を水切りのようにピョンピョンとジャンプして逃げる様子から名前が付けられました。沖縄では「トントンミー」、英名では「マッドスキッパー」と呼ばれ泥の上を跳びはねることに由来しています。成長すると10センチほどになります。
水中では主にえらで呼吸しますが、陸上では皮膚を使って呼吸します。さらに袋状になったえらに水をためて呼吸に利用し、湿っていれば比較的長い時間陸上で生活ができます。
潮が満ちてくると水を避けるように陸上に移動し、マングローブの根の上などで休みます。目がよく、動くものに反応します。泥の上に生息するゴカイや小さな甲殻類を食べています。
春から秋にかけて泥干潟の上で活発に活動しますが、冬になると巣穴を掘りほとんど動かずに冬眠することが知られています。
大きな眼と愛嬌(あいきょう)のある顔、陸の上を胸びれを使って不器用に歩く姿がかわいらしく、人気のある生物として全国の水族館で展示されています。
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「“常夏の楽園”フィジーと美しいサンゴ礁の水族館」は20日まで、松山市湊町5丁目のいよてつ高島屋で。