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話し相手や掃除 ニーズ

介護保険の隙間 対応 松山のファミサポ、仕事と両立支援

2019年7月31日(水)(愛媛新聞)

 

まつやまファミリー・サポート・センターのパンフレット

まつやまファミリー・サポート・センターのパンフレット

 

まつやまファミリー・サポート・センターのパンフレット

まつやまファミリー・サポート・センターのパンフレット

【提供会員の確保に課題】

 育児や介護と仕事の両立のため、援助してほしい人と援助したい人が依頼・提供会員となって助け合う地域密着のファミリー・サポート・センター(以下ファミサポ)。県内では現在、12市町が設置運営しており、松山市のまつやまファミサポは「育児」に加え、県内唯一「介護」も担っている。介護保険制度の隙間に対応する援助内容でニーズは高いが、援助する会員の確保が課題だ。

 

 県内第1号のファミサポとして2001年に開所したまつやま。依頼会員は1時間あたり700~900円(活動日や時間帯による)を提供会員に支払い、提供会員は有償ボランティアとして援助する。援助遂行までに双方の事前打ち合わせが必須で、「困ったときのためにあらかじめ登録しておくと安心」とアドバイザーの河野晃子さん。

 まつやまによると、2014~18年度の介護援助数は年間5千~7千件。18年度の依頼内容は介護保険制度の範囲外となる「留守・見守り・話し相手」が3638件とトップで、「掃除・洗濯」1841件、「通院・買い物などの付き添い」1279件と続く。寝たきりなどの重度の介護や金銭管理・宿泊を伴う援助は行わない。

 「今の生活があるのはファミサポのおかげ」と話す松山市の女性(59)。同居する90代義母の話し相手などを依頼している。義母は5年前に認知症を発症し夫は病気で長期入院中。先の見えない介護と仕事の負担を一人で抱えていた。「寂しい」と嘆く義母に申し訳なさを感じつつ仕事に行き、帰りに病院へ顔を出す。帰宅すれば同じ会話を繰り返す義母と向き合う毎日に「ストレスでどうにかなりそうだった」。

 まつやまの存在を知って2日後、提供会員と会い利用を開始した。暗かった義母の顔に少しずつ笑顔が増え、認知症の進行も遅くなったように感じ、自分の気持ちにもゆとりが生まれた。当初週2日だった利用を、現在は5日に増やし、3人の提供会員が交代で家に来る。「利用を続けたい。知らない人にも勧めたい。本当に助かっている」と力を込めた。

 まつやまの過去4年をみると、依頼会員は約300人から約340人に増えているのに対し、提供会員は540人前後でほぼ変わらない。依頼会員の多い地域と提供会員がいる地域が一致しない「地域的ズレ」も生じている。河野さんは「依頼に応えられないケースもある」とし、提供会員の確保を課題に挙げる。

 県外で提供側の質が問われる事案も。大阪府八尾市で10年、育児援助会員がうつぶせ寝の状態で放置した乳児が意識不明となり3年後に死亡。厚生労働省は提供会員への緊急救命講習を義務付けた。しかし、他の講習は各ファミサポに委ねられている。まつやまは、提供会員の要件に育児で6回、介護は3回の初回講習を設け、年数回フォローアップ研修を実施。万が一の事故等に備え、一括して補償保険に加入している。

 高齢者福祉の専門家は「地縁や血縁が薄くなった現代社会の実情を踏まえ、介護保険制度の補完的役割を果たしている」とファミサポの意義を認める一方、「介護保険制度で賄いきれない部分があることの裏返しだ」と指摘。また、アドバイザーには利用・提供の両会員の要望などを見極め調整する高いスキルが求められるとしている。

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