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スクールカウンセリング

子どもの悩み 解決手助け 松山で放送大学公開講演会

2019年7月10日(水)(愛媛新聞)

スクールカウンセラー事業について講演する相模健人・愛媛大准教授

スクールカウンセラー事業について講演する相模健人・愛媛大准教授

【不登校・いじめ… 相談ねぎらい聞き方工夫】

 スクールカウンセラー事業が導入され二十余年。いじめや不登校などの相談から子どもが巻き込まれる事件事故、災害といった危機対応まで、カウンセラーの存在感が増している。このほど放送大学愛媛学習センター(松山市文京町の愛媛大構内)で公開講演会があり、公認心理師、臨床心理士でスクールカウンセラーの相模健人・愛媛大教育学部准教授が同事業について説明。「相談に来た子どもをほめてねぎらうことが大事」と話した。要旨を紹介する。

 

 人生が苦しいと、自分では何がいいことか分からなくなる。そんなとき話を聞いてうまくいく方法を見つけるお手伝いをするのがカウンセリングだ。

 日本のスクールカウンセラーは1995年度に「文部省(当時) スクールカウンセラー活用調査研究委託事業」として始まり、現在は「文科省 スクールカウンセラー活用事業補助」の都道府県事業になった。

 欧米でも導入されているが、米国では同じ名称でも進路相談や生徒指導がベースだ。日本では94年のいじめ自殺事件がきっかけ。事件が大きく報道され、いじめを受けている子どもの自殺が相次ぎ、いじめへの緊急対応の一環で導入された。初年度は全国154校に配置、2006年度は公立中約1万校、昨年度は公立小中2万7500校。各県の事情で配置が決まる。

 民間資格の臨床心理士や精神科医、大学教員が務める。国家資格の公認心理師ができ、今後増えるだろう。都道府県の非常勤職員で週2回(各回4時間)、年35週の勤務。愛媛県は現在、年39週になった。しかし、子どもや先生からすればスクールカウンセラーが常勤でないのは問題だと思う。

 子ども、保護者、教員を対象に不登校、いじめ、部活でのトラブル、子育てなどについてカウンセリングを行う。不登校の相談では子どもに会えないことも結構あるが、保護者へのカウンセリングだけでも効果的。教員ら専門家同士のコンサルテーションでは、例えば発達障害の可能性がある子どもへの関わり方などを対等な立場で相談する。対象の子どもに教員やカウンセラーらがそれぞれの立場でどう関わるか話し合うカンファレンスも行う。

 昨年の豪雨のような災害や事件事故のときの危機対応や危機管理もある。PTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれる、被災や事件事故によって受けた影響を一定期間たってもうまく処理できない子どもに介入する。普段から気がかりな子どもを把握しておくと、こうしたときの対応に役立つことがある。愛媛では、県の心のレスキュー隊派遣事業があり、スクールカウンセラー、臨床心理士らが登録している。

 カウンセリングは週1回1時間、面接が多い。話を聞くとき大事なのは「知らない姿勢」。事前に保護者や先生から聞いたことがあっても「知らない姿勢」を取る。「ちょっと知らないんだけど」「ちょっと教えてもらいたいんだけど」はよく使う言葉だ。カウンセラーは相談に来た子どもの一段下に立ち、子どもから教えてもらう姿勢を取ると、「そんなんも知らんの」と、自然に話せる関係を築くことができる。

 コンプリメントすること、相談に来た子どもをほめてねぎらうことが大事だ。相談に来るのは、困ったり悩んだり苦しんだりしているが、問題をあきらめず何とかしようとしているからだ。そこを「よく相談に来たね、よく話してくれたね」とほめてねぎらうことが、子どもの解決していこうとする原動力になる。適切にほめることは難しいし、その人が本当に頑張っていることが分からないとねぎらえない。「教えてくれる?」と、ほんの少し聞き方を変えるだけで子どもの様子が変わってくる。

 子どもは誰しも自らの問題に対して解決できる能力を持っている。子どもに関わる大人がその力をいかに引き出し、子どもの解決に協力できるかがカギだ。

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