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ふるさと復興必ず

西日本豪雨1年 南予3市で追悼式

2019年7月8日(月)(愛媛新聞)

西日本豪雨の大洲市追悼式で、犠牲者の冥福を祈り献花する参列者=7日午前、市役所

西日本豪雨の大洲市追悼式で、犠牲者の冥福を祈り献花する参列者=7日午前、市役所

 見慣れた風景を一変させ、大切な人や暮らしの糧を無残に奪った西日本豪雨。水害や土砂崩れの爪痕は発災から1年がたつ今なお各地に生々しく残り、仮設住宅に身を寄せるなど元の生活を取り戻せていない人たちも少なくない。とりわけ大きな被害を受けた大洲、西予、宇和島の南予3市で7日、各市主催の追悼式がしめやかに営まれ、参列者が犠牲者の冥福を祈り、復旧・復興への歩みや防災・減災への決意を誓った。寺院での慰霊法要や民間の追悼行事が行われたほか、家族や友人だけで静かに悼む姿も見られ、県内は鎮魂の一日となった。

 

【安全な地域一丸 宇和島】

 西日本豪雨により県内自治体で最多の13人(災害関連死含む)が亡くなった宇和島市では7日、同市吉田町東小路の吉田公民館で追悼式を催した。岡原文彰市長や遺族39人ら計約300人が出席し、犠牲者に一日も早い復興を約束した。

 全員で黙とうをささげ、岡原市長があいさつ。千人超が避難所生活を送ったほか、断水で長期間不自由な生活を強いたと振り返り「今なお仮設住宅での生活を強いられている方々や、かんきつ園地が崩落し地道な努力を重ねる農家が数多くいる」と述べた。迅速・効果的な復旧を目指すとし「市民一丸となり、二度と犠牲者を出さず、命を守る安全な地域づくりに全力で取り組む」と誓った。

 参列者はユリやランでミカン山を表現した祭壇前の献花台に花を手向け、犠牲者を思い合掌した。

 犠牲者の一人、清家カヨ子さん(71)=同市吉田町法花津=の親戚で、同市吉田町立間尻の介護職員浅田朋子さん(44)は両親や息子と参列。「小さい頃からよく遊んでくれた明るいおばちゃんだった。災害で一瞬にして奪われた」と静かな口調で悼んだ。災害で地域の人口が減る一方、残った住民のつながりは強くなったといい「宇和島が災害に強いまちになるよう願う」と話した。

 7日正午には、防災放送や防災ラジオを通じて市内全域で黙とうした。

 

【ダム操作万全に 大洲】

 西日本豪雨で5人(災害関連死含む)が亡くなった大洲市。3人は1959年の鹿野川ダム完成以降、水害による市内初の犠牲者となった。市役所での追悼式には、4遺族18人をはじめ国土交通省、自衛隊、県の関係者や自治会長ら計約90人が参列。犠牲者に災害に強いまちづくりや一日も早い復興を誓った。

 二宮隆久市長は「この1年、被災者から悲痛な叫びを聞き、時には叱責(しっせき)を受けた。災害を風化させず、被害を最小限に抑える努力をしていかねばならない」と強調した。

 農業宮元淑さん(79)=同市新谷=は、いとこの中岡深さん=当時(76)=を失った。「年が近く、兄弟のように育った。人の世話をよくするいい男だった」としのんだ。「あの放流はどうなのか」とダム操作への疑問も口にし、万全の対策を求めた。

 ダム直下にある旧肱川町中心部で自治会長を務める笹木聖児さん(63)は「1年があっという間だった」と振り返った。4メートル以上浸水した自宅は復旧したが、被災家屋の解体で更地が目立つ地域を憂慮。防災対策を練り直すとともに、自宅再建のめどが立たない住民を応援したいと語った。

 市は市民の参列席は設けず、式終了後に約4時間、献花を受け付けた。約70人が訪れたという。

 

【町再建こそ供養 西予】

 災害関連死1人を含む6人が亡くなった西予市では7日、同市野村町野村の野村小学校体育館で追悼式が開かれた。遺族や市内の関係機関に加え、豪雨後に支援に入った熊本市などの県内外自治体やボランティア団体関係者、市民ら計318人が、復興と災害に強いまちづくりを誓った。

 管家一夫市長は式辞で「多くの支援を頂き、全国各地から駆け付けたボランティアが猛暑の中で泥だらけになって作業してくれた」と感謝。市復興まちづくり計画では復興をパズルになぞらえていると紹介し「一人一人の力をパズルのピースととらえ、組み合わせることで西予市の未来の形が描ける」と呼び掛けた。

 遺族を代表し、同市野村町野村の小玉恵二さん(60)が追悼の言葉を述べた。肱川(宇和川)氾濫で犠牲となった義母のユリ子さん=当時(81)=について、予想以上に浸水が速く助けに行けなかったと振り返り「後悔するばかりで、悲しみを一生抱えていくしかない」と苦しい胸の内を吐露。「安心安全な町の再建が母たちへの供養になる。災害に強いまちづくりを考え将来へつなげねばならない」と訴えた。

 野村小学校と野村中学校によるオリジナル復興歌の合唱もあり、澄んだ歌声に涙をぬぐう遺族もいた。

 同市では6月末時点で住宅被害は全半壊と大規模半壊が411件、297人が被災により応急仮設住宅やみなし仮設住宅、市営住宅で暮らす。

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