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豪雨被害の宇和島・三間

「もみの木」拠点に住民同士で支え合う

2019年6月24日(月)(愛媛新聞)

豪雨で納涼祭などの催しが中止になったことから、子どもたちに夏の楽しい思い出をつくってもらおうと、住民主体の夕涼み会を「もみの木」で開いた=2018年8月31日、宇和島市三間町元宗

豪雨で納涼祭などの催しが中止になったことから、子どもたちに夏の楽しい思い出をつくってもらおうと、住民主体の夕涼み会を「もみの木」で開いた=2018年8月31日、宇和島市三間町元宗

西日本豪雨時に宇和島市三間地域の災害支援拠点となった「もみの木」。シンボルのモミノキが立つ=18日午後、同市三間町元宗

西日本豪雨時に宇和島市三間地域の災害支援拠点となった「もみの木」。シンボルのモミノキが立つ=18日午後、同市三間町元宗

豪雨で納涼祭などの催しが中止になったことから、子どもたちに夏の楽しい思い出をつくってもらおうと、住民主体の夕涼み会を「もみの木」で開いた=2018年8月31日、宇和島市三間町元宗

豪雨で納涼祭などの催しが中止になったことから、子どもたちに夏の楽しい思い出をつくってもらおうと、住民主体の夕涼み会を「もみの木」で開いた=2018年8月31日、宇和島市三間町元宗

西日本豪雨時に宇和島市三間地域の災害支援拠点となった「もみの木」。シンボルのモミノキが立つ=18日午後、同市三間町元宗

西日本豪雨時に宇和島市三間地域の災害支援拠点となった「もみの木」。シンボルのモミノキが立つ=18日午後、同市三間町元宗

 昨夏の西日本豪雨時、宇和島市では吉田地域で大規模な土砂崩れなどが発生して多数の尊い人命が失われたが、同市三間地域も住宅倒壊や断水など大きな被害を受けていた。復旧作業や支援が吉田地域に集中する中、立ち上がったのは住民たち。誕生から間もない地域づくり推進事業所「もみの木」(同市三間町元宗)を拠点に、地域完結型の支援を目指して支え合ってきた。

 

【豪雨が育てた助け合い 物資配布や「子ども教室」で多世代交流の場へ】

 「吉田が甚大な被害を受けている。市や市社会福祉協議会が吉田に力を注げるよう、三間のことは三間の住民たちで何とかしよう」

 豪雨災害発生後間もなく、もみの木の家田基行管理者は住民から力強い言葉を聞いた。「この言葉がスタート。一緒にできる限りの協力をしようと思った」

 もみの木は、地域力を強化して支え合いの仕組みをつくる国のモデル事業に同市が選定されたのを受け、市の委託を受けた宇和島市民共済会が2017年11月に開設。閉園した三間幼稚園を活用し、地域の交流拠点となることを目指して介護予防教室を開いていた。

 豪雨を受け、もみの木には三間地区社会福祉協議会役員や民生児童委員らが自主的に集まった。同地区社協の大江清会長は「口には出さなくても皆『吉田が大変なんやけん、できる限りわれわれで』という雰囲気だった」と振り返る。独居高齢者世帯など特に支援の必要な人々への対応について話し合い、各地から届く支援物資をもみの木に集積することも即決した。

 三間地域では水道水を供給していた浄水場が被災。住民は断水生活を強いられた。もみの木には正光会御荘診療所(愛南町)から生活用水の保存タンクが寄贈され、漁業関係者らの協力で活魚運搬車による水の補給が続けられた。

 集まった水や食料、生活物品は、日ごろから住民と関係を築き状況を把握している地区社協メンバーや民生児童委員らの手で、独居高齢者など自ら取りに来られない人のいる世帯へと届けられた。各介護事業所のヘルパーやケアマネジャーが利用者の訪問に合わせて必要な物資を配布してくれるようにもなり、次第に協力の輪が広がった。

 民生児童委員や地区社協、もみの木職員らは、要支援者の安否確認作業を進める市地域包括支援センターとも連携。センターで安否がつかめない人について、居場所などの情報を提供した。関係者によると、特に活躍したのが民生児童委員。毎月の定例会で独居高齢者らの情報を共有し、年に3回の訪問を続けるなどしてきた活動が生きた。

 「とにかく助け合いがすごかった」と声をそろえるもみの木のスタッフ。「私たち3人の職員だけでは、とても対応できる状況ではなかった。もみの木は話し合いや情報共有の場になったが、活動の主体は地域の皆さん」と力を込める。

 断水は子どもたちの生活にも大きな影響を及ぼし、夏休み中に三間地域の全3小学校の児童を預かる「放課後子ども教室」の会場も使用不能に。施設からの利用依頼を受け、もみの木で三間地域の全3小学校の児童が集まる「教室」を受け入れた。子どもたちに不自由な思いはさせられないと、タンクの水をホースでトイレにつないで水を流す装置を手作り。「何かできることない?」と地元の女性グループが申し出て、スイッチ操作などを手伝った。子どもたちが安心して過ごせる場所ができ、関係者は胸をなで下ろした。

 災害支援拠点となったもみの木に幅広い世代が集うようになることで、新たな動きも生まれた。「教室」に発達障害の児童がいるのをきっかけに、女性ボランティアグループは障害の特性について学ぼうと勉強会を企画。大学の講師を招いて熱心に耳を傾けた。

 もみの木での災害支援対応は水道水が飲用可能となった9月12日で一段落したが、「教室」は現在も週に2日開かれ、放課後や土曜日に子どもたちの元気な声が響く。さらに6月29日には多世代が集える地域食堂が始まる。

 大江会長は「もみの木は高齢者向けの介護予防教室から始め、ゆくゆくは世代を超えた皆がごちゃまぜに集まれる場になればと思い描いていた。豪雨により、図らずも目標とする姿への動きが加速した」と語る。

 関係者は豪雨災害を通じ、普段のつながりが災害時にも生きると実感。今後も起こりうる災害を見越し、家田さんは「命を守り助け合うには、地域の人たちが互いを大切に思う気持ちを持っていることが不可欠。誰も見捨てず、誰もが住みやすい町づくりを進めるきっかけにしたい」と気を引き締めている。

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