3万9000冊が泥水に、中高生ら復旧協力
西日本豪雨で長期休館の吉田町図書館再開
2019年5月31日(金)(愛媛新聞)
昨年7月の西日本豪雨で被災し長期休館している宇和島市吉田町立間尻の市立簡野道明記念吉田町図書館が31日、復旧を経て再開の日を迎える。
同館は1階が約1・4メートル浸水。蔵書約7万8千冊のうち一般図書約3万9千冊が泥水に漬かり、事務室のパソコンなどの電子機器が使用できなくなった。郷土資料は2階に保管していたため被害を免れた。
職員は昨年7月10日ごろから復旧に当たった。地元の中高生ボランティアなどの協力を得て、床に堆積した泥のかき出しや本の整理作業を進めた。今年1月4日からは吉田公民館に仮設図書室を設け、一部図書の貸し出しなどを行ってきた。
再開にあたり、館内のレイアウトを変更した。一般図書を2階に移して児童図書と併設し、計約3万冊を同フロアで開架。1階は新聞や雑誌の閲覧コーナーにした。ほかに、児童図書コーナーの一角にキッズスペースを設け、本を除菌する装置を備えた。
5月30日は宮本啓行館長らが開館前の最終確認。本の並び方などを点検し、不備がないか確かめた。常連の利用者から開館を楽しみにする声も寄せられており、宮本館長は「さまざまな支援のおかげでようやく再開できる。多くの人に来館してもらいたい」と話した。
再開を記念し、6月9日にセレモニーと講演会「吉田・三間の歴史と十本松峠」を催す。
吉田公民館の仮設図書室は5月30日に閉鎖した。