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医療と福祉連携必要

HIV・エイズ、高齢化課題 松山市が対策セミナー

2019年3月15日(金)(愛媛新聞)

 

「高齢化率の高い愛媛でこそ、HIV感染者の高齢化対策をいち早く進めたい」と述べる高田清式さん

「高齢化率の高い愛媛でこそ、HIV感染者の高齢化対策をいち早く進めたい」と述べる高田清式さん

「気付かないうちに大切な人に感染させないよう検査を受けて」と語りかける池田和子さん

「気付かないうちに大切な人に感染させないよう検査を受けて」と語りかける池田和子さん

【感染者らに介護需要】

 かつては「死に至る病」といわれた後天性免疫不全症候群(エイズ)。治療薬の進歩によってエイズウイルス(HIV)に感染しても、エイズの発症を抑え普通に生活できるようになった。一方で、高齢化するHIV感染者・エイズ患者への対応が課題として浮上。松山市はこのほど「高齢者の在宅介護と感染症」をテーマに、エイズ対策セミナーを開き、保健医療と介護福祉の連携の必要性を呼びかけた。

 

 セミナーでは、愛媛大医学部附属病院総合臨床研修センター長の高田清式教授と、国立国際医療研究センター病院エイズ治療・研究開発センター(東京)看護支援調整職の池田和子さんが講演。医療機関や福祉施設の約50人が聴講した。

 エイズは1981年に米国で初の患者報告があり、感染すればほぼ全例、死亡していた。しかし96年に開発された治療が奏功し、現在は死者が激減している。

 高田さんは「早期に治療すれば一般の人と同じくらい長生きできるようになったが、HIVに感染すると免疫力の低下などにより、非感染者に比べ10~15歳ほど老化が早く進み、高血圧や糖尿病、がんなど生活習慣病にかかりやすい」。一般病院や高齢者施設との情報共有や連携強化が必要とした。

 また「HIVの感染リスクは低く、せきや汗、蚊にさされることなどでは感染しない」と説明。「当事者が薬をのみ、受け入れる病院や施設が基本的な感染対策をしていれば、まず医療者や介護者にうつる心配はない」と強調した。

 受け入れ側の不安を解消するため、愛媛大病院は県と連携し2012年から毎年1回、高齢者施設の関係者を対象にした研修会を開催。県内の医療・福祉関連施設への出前研修にも応じている。高田さんは「過度に感染を恐れなくていいということが分かった」という参加者の声も紹介した。

 国内のHIV感染者・エイズ患者は85年以降計約3万人で、新たな報告はここ10年、年間1500人前後。愛媛では今年2月末までに計約150人。うち約4割がエイズを発症した状態で判明しており、全国平均の約3割と比べ、やや発見が遅いとみられる。

 池田さんは「検査を受けることに抵抗があるのではないか」と指摘。検査で早期発見・治療ができれば仕事を続けることもできるが、発見が遅れると生活に支障を来すほか、感染を広げる危険性があると警鐘を鳴らした。

 病気の進行を遅らせ、パートナーへの感染を予防するために、治療の継続と、地域で支える重要性を強調。感染者の高齢化で施設や介護サービスの需要は増えているが、知識不足で受け入れに消極的な関係者も多いとして「常に新しい情報をアップデートして、まずは知ることから始め、支援をしてほしい」と訴えた。

 

 【エイズ】エイズウイルスに感染して、病気から体を守る免疫機能が破壊され、さまざまな感染症を発症する病気。潜伏期間は10年以上に及ぶこともある。ウイルスの感染力は弱く、感染経路は無防備な性行為や血液感染、母子感染に限られる。

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