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えひめ防災・減災 いよゼロプロジェクト

愛媛は災害少ない?→忘れているだけ 身近に痕跡 目を向けて

2019年3月11日(月)(愛媛新聞)

地元の過去の災害を知る重要性や方法を語る県歴史文化博物館の大本敬久専門学芸員=2月20日、西予市宇和町卯之町4丁目

地元の過去の災害を知る重要性や方法を語る県歴史文化博物館の大本敬久専門学芸員=2月20日、西予市宇和町卯之町4丁目

「四国災害アーカイブス」のトップページ

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昭和南海地震での地盤沈下を受け、防波堤の完成を記念した石碑=2月26日、松山市北条辻

昭和南海地震での地盤沈下を受け、防波堤の完成を記念した石碑=2月26日、松山市北条辻

【県歴博で災害史調査 大本敬久学芸員 高齢者らに聞き取りを 新聞や石碑も被害把握活用】

 「愛媛は災害が少ない、という認識は忘却による誤解。昭和南海地震やその後の台風、水害で亡くなっている人も多い」。災害史を調査している県歴史文化博物館(西予市)の大本敬久専門学芸員(48)は、地元で起きた過去の災害履歴を知る大切さを訴える。

 大本学芸員によると、1946年の昭和南海地震では揺れによる家屋の倒壊や地盤沈下など松山周辺や今治、西条など東中予地域の被害が大きかった。今後予想される南海トラフ巨大地震では津波などで特に南予の危機意識が強いものの、過去の事例も踏まえ「南予に比べると人口が集中している中予や東予の被害が大きくなる可能性もあり油断できない」と指摘する。

 過去に身近な場所で発生した災害を知るにはどうすればいいか。大本学芸員は、まず市町村ごとにまとめた市誌・町誌などで地元で起きた災害を知る大切さを強調。公民館や自主防災組織の活動の一環として、災害を体験した地元の高齢者らから聞き取りをすることも身近なアプローチとして勧める。「住民だけで難しければ、外部の専門家のコーディネートで体験者の話を聞く機会を設ける方法もあり、世代間をつなぐことができる」と語る。

 災害の時期や種別などを把握した上で、次のステップは新聞記事。「市町村誌の記述よりも被害の実態をよりリアルに把握できる」と説明する。行政サイドは災害記録の記された過去の公文書が埋もれていないかチェックし、活用することも重要だ。

 ほか地元であった災害を知る手段として、記念碑も挙げられる。例えば松山市北条辻の鹿島への渡船乗り場付近にある防波堤の完成を記念した石碑。昭和南海地震で地盤沈下やその後の台風災害での高潮被害などが相次いだ状況が記されているが、地元でも知っている人は少ないという。「石碑を地元の史談会員や郷土史に詳しい人で探していくのも大事」と話す。

 昭和南海地震から70年を迎えた2016年を契機に伊予高校の生徒が地元の松前町や伊予市の郡中地区で大きな被害があったことをまとめ、冊子や講演などで発表。同校の柚山俊夫教諭(57)によると、生徒は地元体験者の聞き取り調査や現地調査を皮切りに、新聞記事なども活用し、自主的に地道に研究を深めた。「自分の祖父母や隣近所の高齢者に話を聞くことは誰にでも取り組むことができる」と普遍的な調査法の意義と、伝える行為の大切さを強調。「成果を発表して自分自身に定着させ、質問に答えられなかったことはさらに深め、新たな情報が出てくるなど良い循環になった」と振り返る。

 地元の災害を知る有効なツールに、四国クリエイト協会(高松市)の四国災害アーカイブス(https://www.shikoku-saigai.com/)がある。市町名や災害の種類を選ぶと過去の災害の概要が文章や地図で紹介される。同協会は「住んでいる町の災害痕跡や津波の記念碑などを探せば防災意識が高まる」とし、地域の災害マップや年表の作成に活用できると説明。「それらを手に地域を巡り歩けばなお一層リアリティーが増す」と活用を呼び掛けている。

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