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2019
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土井中照の愛媛おサカナ順礼

<後編>みんなに愛されるマグロは、本当の出世魚。

2019年3月11日(月)(その他)

日本山海名産図会 鮪

日本山海名産図会 鮪

 文明開化の世の中になっても、マグロはアジやサバと同じ大衆魚の位置づけで、もっぱら煮魚か、赤身の刺身で食べられていた。脂の多いトロは、ネギとともに串に刺してネギマ鍋となるか、腐りやすいからと捨てられてしまうこともあったようだ。

 マグロが多くの人に食べられるようになるのは、戦後まで待たなくてはならない。これには二つの要因がある。一つめは、食生活の洋風化により日本人の食の好みが変わり、脂の多いマグロの味を美味しいと感じはじめたためである。二つめは冷凍技術の進歩により、遠洋漁業で捕れたマグロをすぐに冷凍保存するようになったこと。これらのおかげで、美味しいマグロが食べられると、一気にマグロの需要が伸びてきた。かつては、猫も食べないといわれてきたトロも、希少部位として高値で売買されるようになった。

 ただ、マグロが人気を呼んだために乱獲が進み、クロマグロは絶滅危惧種とされている。そのため、クロマグロの完全養殖が求められてきた。当初は、稚魚を捕獲して育てる養殖が主に行われていたが、平成二十六(二〇一四)年に愛南町で完全養殖に成功し、そのマグロは平成二十九(二〇一七)年から出荷されている。愛媛県は、「とる漁業」から「つくる漁業」への流れを牽引したのである。

 敬遠されていたマグロは、みんなの愛する魚となり、もっとも嫌われていたトロが、いまや庶民の手のとどかぬ超高級品となった。マグロは、名前の変化による出世ではなく、文字通りの出世魚。クロマグロを心ゆくまで堪能するために、愛媛県の存在は欠かせない。愛媛マグロが、マグロ市場を席巻する日も近づいている。(提供:Eのさかな/佐川印刷)

 

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