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愛媛大附属小5年 公開授業

五輪種目に「eスポーツ」テーマ 考え深めて白熱討論

2019年3月6日(水)(愛媛新聞)

根拠となる新聞記事や資料を示しながら、白熱した議論を展開した討論会=松山市持田町1丁目

根拠となる新聞記事や資料を示しながら、白熱した議論を展開した討論会=松山市持田町1丁目

【新聞や資料活用 賛否などの主張展開】

 「年齢に関係なく、体の弱い人でも楽しめるから賛成です」「ゲーム障害になる可能性もあるから反対です」。2月上旬、愛媛大教育学部附属小学校(松山市持田町1丁目)で開かれた愛媛教育研究大会の公開授業。5年生31人が、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」を五輪種目にすることの是非をテーマに、新聞記事などを材料として意見を交わした。

 

 附属小5年の国語の授業では、「自分らしく思いや考えを伝え合う力」を育てようと、一年を通して学級新聞制作や時事川柳作りなどでNIE(教育に新聞を)を実践してきた。担当の岡田海斗教諭は「身の回りのことだけでなく社会的な出来事に興味・関心を持ち始めている児童にとって、教科書にはない新鮮な話題を取り扱う新聞は格好の教材だ」と話す。2020年度から順次実施される小・中・高校の新学習指導要領では、情報活用能力の育成のため新聞などの活用を図ることが明記されている。

 討論の目標は「資料を使って効果的に説明する力」「相手の立場の良さを見つける力」「積極的に意見や考えを伝え合う力」を身につけること。2日間にわたった公開授業の1日目は準備段階として、eスポーツに関する記事や資料を読み、テーマへの理解を深めた。余白に意見や気付いたことを書き込み、自分なりに考えを整理。賛成・反対などの立場を決めると、各自でミニホワイトボードに論点をまとめ、同じ立場の人と意見交換し、想定される反論や質問を考えた。

 2日目の討論本番では、賛成、反対、迷っているの立場に分かれ、根拠となる資料を示しながら、それぞれの主張を展開した。

 反対派は五輪の理念(オリンピズム)から「スポーツを通して心身を向上させる」という部分を引用し、「eスポーツでは心は鍛えられても、体は鍛えられないのではないか」と疑問を呈した。賛成派は「時代の変化に合わせてスポーツのあり方も変えていくべきだ」と反論。さらに同理念の「文化・国籍などの違いを超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和な世界の実現に貢献する」という部分を挙げ、eスポーツにも当てはまると主張した。争点はスポーツの定義のほか、健康への影響、五輪に新種目が次々と導入されていることなどに及び、議論は白熱した。

 討論を終えて、児童らは「自分の意見を改めて見つめることができた」「相手の意見を聞いて認め合う良さがあった」などと、手応えを感じた様子。議論を踏まえ、一人一人が「これからのeスポーツはどうなっていくのか」について意見を文章にまとめた。

 岡田教諭は「意見を述べ合い、考えを深めることができていた。発表できなかった子も、書くことを通して意見を伝えてほしい」と期待していた。

 

【問題発見 解決に導く力を 中西淳 愛媛大教授に聞く】

 討論に取り組む上で大切なことは? どのような力の育成が期待されるのか―今回の授業の研究協力者である中西淳愛媛大教育学部教授(国語教育)に聞いた。

     ◇     ◇

 討論においては、論題の設定が一番重要となる。指導者側が子どもたちの興味・関心や問題意識を見抜きつつ、いかに考えや価値観を揺さぶることができるか。今回選んだテーマ「eスポーツ」は子どもにとって身近であるとともに、旬な話題で今後も新聞紙面などをにぎわすと思われる。中学や高校でも十分取り扱えるだろう。

 話し合いと討論は似て非なるものだ。話し合いは「情報交換」であり、討論は「相手を説得すること」。国際化が進み、私たちを取り巻く環境が急速に変わる中で、立場を明らかにし意見を述べるという力はますます必要となる。

 社会的事象を広く取り扱う新聞は「生きた教材」として活用できる。学びとは既存知識を再構成していくことであり、真の学びには葛藤がある。実社会では問題があっても問題として捉えられないことがままあり、何よりそれが大きな問題だ。社会では誰かがテーマを与えてくれるわけではない。多感な時期に、問題を発見して解決に導く力を身につける必要がある。それこそが「生きる力」だ。

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