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土井中照の愛媛おサカナ順礼

<前編>みんなに愛されるマグロは、本当の出世魚。

2019年2月25日(月)(その他)

魚譜マグロ

魚譜マグロ

 寿司屋の一番人気に君臨するのがマグロである。赤身、ヅケ、大トロ、中トロ、ネギトロ、それぞれの美味しさが楽しめる。寿司の盛り合わせにマグロの姿が見えない時は一抹の寂しさを感じるほど、マグロはみんなから愛されている魚だ。

 

 だが、マグロにも不遇の時期があった。江戸時代に書かれた『守貞謾稿』には「下卑の食として、中以上及び饗応にはこれを用いず、また更に、鮪、作りみにせず」とあり、『江府風俗志』にも「延享の初頃は、さつまいも、かぼちゃ、まぐろは甚々下品にて町人も表店住の者は宜することを恥る体也」とあるように、高級魚ではなかった。江戸時代、駿河湾沿岸ですでにマグロ漁が行われているが、当時の輸送体系や冷凍技術では、脂分の多いマグロは江戸に着くまでに傷んでしまい、「血なまぐさい」と敬遠された。また、当時の寿司ネタは、日持ちのする塩漬けにされるが、マグロは塩に漬けてしまうと色も味も悪くなってしまう。マグロを寿司にするには、色の変わりにくいキワダマグロやマカジキが使われている。

 

 しかし、マグロの価値が見直される時がやってくる。天保三(一八三二)年、マグロの豊漁が続いて前代未聞の安値になった。『兎園小説余録』には「何れも中型マグロにて小田原河岸(江戸日本橋)の相場は二尺五~六寸から三尺ばかりのもの一尾が二百文、飯の菜には二十四文の切り身で二~三人が食べても残る」と書かれた。古くなったマグロは醤油に漬けられた。これが「ヅケ」の始まりで、握り寿司の創始者といわれる華屋与兵衛が寿司ネタに採用すると、マグロの評価は上がり、マグロのヅケは人気を博した。しかも、ヅケは保存もきき、色が変わらないので、寿司屋にとってもありがたかった。

 <後編に続く:3月上旬公開予定>(提供:Eのさかな/佐川印刷)

 「Eのさかな」は「さかな文化」を代表とする愛媛の食・暮らし・自然・文化などを取り上げ、分かりやすく情報を発信するフリーペーパーです。

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