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東京の岸田さん運営 踏み込んだ情報 患者へ

がん闘病経験 生配信で力に ネット番組、松山で公開収録

2019年2月23日(土)(愛媛新聞)

和やかなムードで、がん経験者にインタビューする岸田徹さん(左)=松山市末広町

和やかなムードで、がん経験者にインタビューする岸田徹さん(左)=松山市末広町

 「1人じゃないよ」―。がん患者に向け、闘病経験者からのメッセージを生配信するインターネット番組「がんノート」の公開収録がこのほど、松山市末広町の「がんと向き合う人のための町なかサロン」であった。企画運営を担うのは2度のがん治療を乗り越えたNPO法人「がんノート」代表理事の岸田徹さん(31)=東京。番組を通じ、患者が希望を持てるようになればと発信を続けている。

 岸田さんは2012年、社会人2年目の25歳で、精子や卵子の元になる細胞ががんになる胚細胞腫瘍の一種、胎児性がんと診断。首や胸などに転移しており、抗がん剤治療と2度の手術を受けた。約1年半の休職後、職場復帰したものの、体調を崩して退職。15年には精巣がんが見つかり、腫瘍を摘出した。今も定期的に病院で検査を受けている。

 患者になって感じたのは、病気や治療に関する情報以外の、恋愛や性の問題といったセンシティブな情報の少なさ。手術の後遺症で性機能に障害が起きたが、医師に相談しても「様子を見よう」と言われただけだった。ネットで情報を探し続け、同様の症状があった患者に関するブログを見つけ、ようやく情報が得られたという。「患者が今すぐ知りたい、一歩踏み込んだ情報を伝えたい」と、患者をインタビューしてネットで生配信するサイトを14年に開設、活動をスタートさせた。

 この日の「がんノート」は102回目。主に国立がん研究センター中央病院(東京)で収録している番組を町なかサロンに“出張”した。17年に乳がんと診断された松山市の会社員三好英理さん(45)をゲストに、岸田さんががん発覚の経緯や治療法をはじめ、家族への思い、恋愛や結婚の話題などを尋ねた。

 「髪の毛が抜けるのが一番つらくて悲しかった。ウイッグを四つ買ったの」「四つ!? いくらくらいの?」。「妊孕(にんよう)性(子どもをつくる能力)は?」「卵子凍結するか聞かれてびっくりしたけど、うれしかった」。終始和やかなムードでトークは進む。番組には視聴者からリアルタイムで感想や質問が寄せられた。「共感が一番の薬になる」などと岸田さんが読み上げると、会場を訪れた県内外の患者らがうなずいた。

 岸田さんが生配信にこだわるのは、患者会などが身近になく、孤立感を深める患者らと同じ時間を共有できるからだという。「入院中もスマートフォンから手軽に楽しく見てほしい」との願いが込められている。

 過去の配信はネット上で閲覧でき、1万回以上再生されたものも。「がんノート」は患者の中で知られる存在になりつつある。「幅広い年代の患者をロールモデルとして取り上げ、生の声を届けたい。患者が不利益を被ることなく、笑って輝ける社会になれば」

 サイトのアドレスはhttps://gannote.com/

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