ログイン
Myページ
Myページ

愛媛新聞ONLINE

2019
1119日()

ログイン
Myページ
愛顔会員Myページ
MENU

川島章良さん(はんにゃ)らが講演

四国がんセンター記念セミナー「がん治療、知識深めて」

2019年2月15日(金)(愛媛新聞)

32歳でがんを告知された経験を語ったお笑い芸人の川島章良さん

32歳でがんを告知された経験を語ったお笑い芸人の川島章良さん

がん治療の免疫療法について講演した四国がんセンター臨床研究センター長の上月稔幸医師

がん治療の免疫療法について講演した四国がんセンター臨床研究センター長の上月稔幸医師

「前立腺がんとロボット手術」について講演した済生会松山病院泌尿器科部長の東浩司医師

「前立腺がんとロボット手術」について講演した済生会松山病院泌尿器科部長の東浩司医師

真剣な表情で講演を聞く参加者

真剣な表情で講演を聞く参加者

 四国がんセンター(松山市)の書籍「がん専門病院からのメッセージ」の出版を記念したセミナーが3日、松山市大手町1丁目の愛媛新聞社であった。がんを患ったお笑い芸人の川島章良さん(はんにゃ)が自身の経験を紹介し、済生会松山病院泌尿器科部長の東浩司医師、四国がんセンター臨床研究センター長の上月稔幸医師が最新治療について講演。パネルディスカッションも行われ、約130人が治療の知識を学び、支援の在り方を考えた。3人の講演を紹介する。

 

【予期せぬ「初期の疑い」】

【お笑い芸人 川島章良さん(はんにゃ)】

 32歳まで健康診断に行ったことがなく、結婚を控えて軽い気持ちで受けた。すると医師に再検査を告げられた。おなかが出ていたので、コレステロールや脂肪肝だろうと思っていた。再検査の結果は後日教えてもらうことになった。

 きちんとプロポーズしていなかったので、サプライズでやろうと考え、彼女とよく行った温泉宿でのプロポーズ計画を練った。決行は2014年10月。彼女がお風呂に行ったとき、僕は車に載せていたプレゼントのバッグを取りに行って「しめしめ」と部屋に隠した。彼女は妊娠していたので、プロポーズが成功することは分かっていた。

 彼女を待っていると、病院から検査結果の電話があり、マネージャーと両親を呼ぶように言われた。さらに詳しく聞くと「初期の腎臓がんの疑いがある」と。一世一代のプロポーズというときに告知を受けた。無意識に死を思い浮かべ「子どもと彼女を幸せにできない」と思ってしまった。

 彼女に伝えると泣いたり、崩れ落ちたりせず「私も頑張って産むから一緒に頑張ろうよ」と言ってくれた。奈落の底まで沈んでいたが、その言葉に勇気と元気をもらった。僕は子どもができたから検査に行ったので「子どもが教えてくれた。生きなきゃだめだ」と感じた。その瞬間に「今だ」と思い、プロポーズ。「今じゃないよ」と言われたが、承諾してくれた。

 手術は15年1月に決まった。ナイーブになっていたが、彼女や相方(金田哲さん)が普段通りに接してくれありがたかった。手術まで自分を追い込むことなく過ごせた。

 手術は約3時間半で終了。術後、少し動くだけでも痛くて、40度近い発熱が3日ほど続いた。彼女は妊娠4、5カ月だったが、入院した約10日、お弁当を毎日届けてくれた。おなかは痛かったけど、ささいなことでも2人で笑い合う楽しい時間だった。

 人生では予期せぬことが起きる。だから毎日を楽しく生きることが重要だと思う。僕は毎日楽しく生きている。皆さんも悔いのないように生きてほしい。

 

【ロボット手術も可能に】

【済生会松山病院泌尿器科部長 東浩司医師】

 腎臓がんの症状の「血尿」「腹部のしこり」「背中・腰の痛み」は、「古典的3主徴」と呼ばれるが、三つがそろうことはほぼない。現在は偶然発見されることがほとんどで(初期は)症状がなく、進行しすぎて見つかることも多い。

 治療は原則、全て手術療法。早期でがんが小さいときは部分切除ができ、2016年4月からロボットを使った手術が可能になった。手術しても腫瘍が取れないような場合は、分子標的薬や免疫療法がある。

 次は前立腺がん。16年の全国がん登録の速報では男性の罹患(りかん)率2位で予測以上に増えている。11人に1人の割合で、女性の乳がんと同じくらいだ。

 前立腺は男性のぼうこうの下にある器官で、精子の運動と保護、排尿に関与している。前立腺は肥大することがあり、前立腺肥大症は食生活の欧米化で80歳までに80%が罹患するが、治療が必要なのは4分の1程度とされている。

 前立腺肥大症と前立腺がんは別の病気だ。前立腺は内腺と外腺に分かれ、肥大症は内腺が大きくなり尿道をつぶすようになるため尿が出にくくなったり、残尿が増えたりする。肥大症ががんになることはないが「共存」することはある。

 前立腺がんは進行すると尿が出にくいなど前立腺肥大症と似た症状が出る。さらに進むと、リンパ節などに転移して痛みが出現する。(初期の)無症状のうちに見つけるのが大事だ。

 最も簡単なのが「PSA(前立腺特異抗原)検査」。血液検査による簡便な方法だ。PSAは前立腺で作られるタンパク質の一種で、この数値が高いと前立腺の異常の見当をつけることができる。

 主な治療法は手術や放射線療法のほか、ホルモン療法、抗がん剤による化学療法など。すごくリスクが低い場合は経過観察をすることもある。

 がんを防ぐには、たばこを吸わない、お酒をほどほどにする、塩分を控えるといった健康的な生活が大事。何よりも定期的ながん健診が大切だ。前立腺がんは治るので、早期発見のために健診を受けてほしい。

 

【免疫療法 効果に個人差】

【四国がんセンター臨床研究センター長 上月稔幸医師】

 免疫システムは、基本的には体の外部からの細菌やウイルスなどの異物の侵入に対して免疫細胞などが、「自分=自己」と「自分でないもの=非自己」を識別して体を守る仕組みだ。

 個々の細胞の中にある遺伝子が傷ついて、細胞がいうことを聞かず、勝手に大きくなった細胞の塊のことをがんという。免疫でがんをやっつけるために、どう考えればよいのか。車の運転にアクセルとブレーキが必要なのと同じだ。

 免疫のアクセルを踏む治療は、今まで開発がされてきた(が、効果が限られていたり、副作用が強かったりした)。一方、免疫のブレーキを外す治療がある。

 2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生らによって免疫のブレーキを解除する仕組みが解明され、免疫のブレーキを外す薬剤の免疫チェックポイント阻害剤が開発されて保険診療の承認がされてきた。適応疾患には、非小細胞肺がんや胃がん、頭頸(けい)部がん、腎細胞がんなどがある。

 最近では、採取した腫瘍細胞で特定の検査を行って陽性と判定された患者さんには、がんの種類にかかわらず用いることができるようになった。

 腫瘍が小さくなり、長期間、効果が持続するなど効果を発揮しているケースもある。

 免疫療法は、何となく体に優しい治療ではないかと思われている方がいるかもれないが、全くの誤解だ。体の中の免疫が活性化されるので、いろいろな症状が出たりする。

 具体的にはインフルエンザのような症状や、膠原(こうげん)病などの自己免疫性疾患のような副作用が出てきて、ときには命に関わることもあると知っておいてほしい。

 免疫療法は効果がある人には長期にわたる効果が期待されるが、すべての患者さんに効果が同じように出るわけではない。

 一方、薬を使うことで、他の抗がん剤と同様に重い副作用が出ることがある。がん免疫療法は、がん治療に経験が豊富で、副作用の対応に慣れた医療機関で受けることが大切だ。

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。