豪雨・地震 歴史交え解説
災害リスク 地図に学ぶ 県歴博で公開講座
2019年1月18日(金)(愛媛新聞)

ハザードマップや史料を基に県内の豪雨や地震のリスクを解説する大本さん

ハザードマップや史料を基に県内の豪雨や地震のリスクを解説する大本さん
県歴史文化博物館友の会公開講座「ハザードマップから学ぶ愛媛の災害」がこのほど、西予市宇和町卯之町4丁目の同館であった。大本敬久専門学芸員が史料や市町のハザードマップなどを用いて、西日本豪雨のような災害が過去に起きたことや、今後の豪雨や地震のリスクを解説した。
大本さんは、西日本豪雨が「未曽有」と表現されることがあることを疑問視。西予市宇和地域の4日間雨量が539・5ミリ、宇和島市は381・5ミリに対し、1943年7月の豪雨は宇和地域755ミリ、宇和島市937・5ミリと大きく上回っており「2018年以上の雨の降り方だった可能性もある」と指摘した。
1943年豪雨では県内の死者・行方不明者も130人以上に上り、西予市の宇和地域や三瓶地域でも複数の死者が出たと紹介。戦後間もない45年9月の枕崎台風でも、肱川洪水により死傷者152人との記述もあるとした。
大本さんは南予4市の防災マップや県土砂災害情報マップを示し「西予市宇和地域では肱川水系の支流氾濫や中心部の歴史的町並みでも土石流の恐れがある」と説明。宇和島市では南海トラフ巨大地震の津波が想定される臨海部に学校が集中し、避難場所候補の城山も急傾斜地特別警戒区域であることを懸念材料に挙げた。