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愛媛出版文化賞 受賞者に聞く

<8>奨励賞/第4部門 その他文化全般 「河川閑話」(親和技術コンサルタント) 鈴木幸一著

2019年1月13日(日)(愛媛新聞)

「川と人との関係について多くの人に知ってもらえたら」と話す鈴木幸一さん

「川と人との関係について多くの人に知ってもらえたら」と話す鈴木幸一さん

【川と人との関係紹介 各話に地図・イラストも】

 長年、国内外の川を訪ね歩いてきた河川工学の専門家が一般の人に川への関心を、としたためた。愛媛大名誉教授の鈴木幸一さん(72)=松山市=が退職翌年の2016年秋から半年間執筆した愛媛新聞のエッセー「四季録」と、セミナーの講演要旨などを加えた計51話で構成。県内の川から中国の三峡ダムまで、体験談を交えながら川と人との多様な関係を紹介する。

 目次には「治山治水」「水資源開発」「多自然河川」と堅いタイトルも並ぶが、治水、利水、自然の順に整理。専門用語や数式をできるだけ使わず、メッセージを込めた。

 鈴木さんは「古来、『水を治めるものは国を治める』といわれてきた。昭和の高度経済成長期には利水が飛躍的に増加。その後、環境の重要性が高まった」と川の機能の歴史を説明。「どれも大事だが、川はそれぞれの顔を持っている。川づくりに最も重要なのは地域と密着した川とは何かを考えること」という。

 例えば、昨年7月の豪雨で甚大な被害を出した肱川を取り上げた項。中流の大洲盆地から瀬戸内海の河口までの両岸に山が迫る特異な地形や、近年の遊水地機能の低下などを挙げ、ソフト対策として「予報警報避難体制の整備と住民への周知」の大切さを指摘する。

 「河川伏流水」では、加茂川(西条市)の自噴井「うちぬき」を詳述。ダム建設で大洪水が生じなくなった半面、砂れきの目詰まりで自噴井の出が悪くなったと振り返り、伏流水の適切な管理を呼び掛ける。

 各話に自作の地図やイラストを掲載。生活用水を1キロかけて運ぶブラジルの農村の子どもたちや、肱川支流に架かる屋根付き橋などのスケッチも。「河川整備は地域住民が何を求めているかが基本だが、風土も自然観も違う。それぞれの川のあり方を理解してもらえたら」と話した。

=おわり

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