ログイン
Myページ
Myページ

愛媛新聞ONLINE

2019
1112日()

ログイン
Myページ
愛顔会員Myページ
MENU

西日本豪雨被災 南予3市年末点描

新たな年へ思い込め 西予 仮設住宅 響くかけ声

2018年12月30日(日)(愛媛新聞)

子どもたちやボランティアによる餅つきを笑顔で見守る山本耕三さん(右)=25日午後、西予市野村町野村

子どもたちやボランティアによる餅つきを笑顔で見守る山本耕三さん(右)=25日午後、西予市野村町野村

 7月7日に愛媛を襲った西日本豪雨からもうすぐ半年となる。被害が大きかった南予の3市では、生活が一変した被災者が年の瀬を迎え、新たな年や未来へ思いをはせている。

 

 「トーン、トーン。よいしょ、よいしょ!」―。25日昼、西予市野村町野村の応急仮設住宅では餅つきの小気味よい音とかけ声が響いた。山本耕三さん(74)も、もち米を蒸すのを手伝い、孫や近所の子どもがきねを振るうのを見守る。「こうやって人が集まってにぎやかなのは、やっぱりいいよ」と相好を崩した。

 肱川(宇和川)東岸の自宅は水没し全壊。避難所や市内の親族宅で過ごし、近くに住む長男家族と9月に完成した応急仮設住宅に入居した。居酒屋を経営していた時代の思い出の品であるまな板や包丁、妻千代美さん(72)が大事にしていた着物やミシンも失った。

 「こんなことになると夢にも思わなかった。3カ月ぐらいは片付けやいろいろな手続きに追われたが、ボランティアのおかげで早く終わった」と感謝。11月に開かれた名物行事「乙亥大相撲」では例年通り呼び出しを務め、久しぶりの土俵に「これから頑張らないといけない。命があればたいていのことはできる」と気持ちを新たにした。

 ただ「新年といっても正直、将来の生活のめどが立たない」と山本さん。「家財が流され正月準備もない。引っ越したばかりだけど、ちいとは汚れてるだろうから大掃除でもしようかな」と先行きを思案した。

 マスクを着用し友人とにぎやかに談笑しながら餅を丸めていた山本信子さん(81)。肱川そばにあった理容店兼住宅は半壊し、避難時に慌てて持ち出した夫博文さんの位牌(いはい)と暮らす。「関西に住む子どもは一緒に暮らそうと言ってくれるけど、この年齢で友達のいない都会には行けない」

 7年前に亡くした夫との思い出が詰まった家は解体予定で「苦労して建てたから涙が出る」と寂しげ。それでも「だいぶ落ち着き、ご近所さんの顔も覚えてきた。私が車を運転できないからと、町中に出る時に声を掛けてくれる方もいる。人に恵まれてよいよ幸せ」と前を向き「こんなことがないよう神様に祈って、自分たちも努力して来年はいい年にしたい」とほほ笑んだ。

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の主要ニュース

    トップ10ニュース

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。