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球音の行方 愛媛高校野球 新時代へ

(3)私立優位の波 選手確保や設備 強み

2018年12月19日(水)(愛媛新聞)

系列大学のトレーニング施設で筋力トレーニングに励む聖カタリナ学園高の選手たち=聖カタリナ大学

系列大学のトレーニング施設で筋力トレーニングに励む聖カタリナ学園高の選手たち=聖カタリナ大学

 春の選抜高校野球大会出場を懸けた今秋の四国大会に帝京第五、松山聖陵、聖カタリナ学園が出場した。愛媛代表が全て私立校だったのは史上初。「私立優位時代」の本格化を実感させた。

 1996年夏の甲子園を制した松山商の監督沢田勝彦(当時、現北条高)は「人材、時間、設備が強化の3本柱。それらの確保のため、今は学校を挙げた組織力の戦いとなっている」と指摘する。

 有望選手の確保は、私立が優位に立つ要素だ。2016年夏に甲子園初出場を果たした松山聖陵は、監督の荷川取秀明の出身地・沖縄県からの進学者や、関西出身者が多い。

 沖縄出身の部員は「聖陵に進学した地元の先輩が甲子園に出場していた。ここなら甲子園を目指せると思い進学を決めた」「親元を離れるのはしんどいけど、野球を通じて学べることが多くある」と話す。甲子園出場やプロ野球選手輩出という実績が好循環を生みだしている。

 複数の特待生枠を持ち、多くの県外生を受け入れられる環境は私立ならでは。公立では最後となる15年夏の甲子園に出場した今治西の監督大野康哉は「競技人口が減っている中、私立が毎年安定した戦力を確保しているのは事実」と明かす。他方で、公立校同士でも複数の有力校に選手が分散。戦力確保が難しい傾向にあるという。

 設備面にも差がある。創部2年で春季県大会を制した聖カタリナ。部員が使う系列大学のトレーニング施設は民間のトレーニングジム並みの最新器具を備え、大学で学ぶコーチによる加圧トレーニングも行う。7月には人工芝の室内練習場が完成した。最新の施設にはソフトボールの社会人チームが視察に訪れるほど。主将の田中翔大が「力強い打球が飛ばせるようになった」と手応えを口にすれば、監督の越智良平も「施設があることで個人練習が充実する」と胸を張る。

 管理栄養士やメンタルトレーナーを専属で雇うなど、部活動の枠を超えた環境整備の競争激化が全国的に顕著だという。ある公立校の関係者は「甲子園での活躍は学校のブランドアップにつながる。一部の学校のエスカレートぶりが、さらに差を広げている」と嘆息した。

 公立勢にも優位な点はある。松山商などの伝統校は昔から地域で愛され、多くの支援を受けてきた。今治西の大野も「地元の協力や期待の大きさは生徒も感じているはず」と語る。公立志向が強いとされる県内では、こうした声援が強い追い風となる可能性もある。

 今夏の甲子園で準決勝に進出した済美監督の中矢太は勢力図の変動を認めつつ、公私立の競い合いが愛媛野球のベースにあるとみる。「引っ張ってきたのは古豪の公立校。私立は追いつけ追い越せで力を入れてきた。私立勢にとっては、公立勢に阻まれてきた100年だったと言える」

(敬称略)

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