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球音の行方 愛媛高校野球 新時代へ

(2)変わる指導者 「スポ根」は通じない

2018年12月18日(火)(愛媛新聞)

守備練習で体の使い方を丁寧に教える聖カタリナ学園監督の越智良平(左)=聖カタリナ学園北条セミナーハウスグラウンド

守備練習で体の使い方を丁寧に教える聖カタリナ学園監督の越智良平(左)=聖カタリナ学園北条セミナーハウスグラウンド

 スマートフォンの普及で手軽にコミュニケーションや情報収集ができる現代は、検索した動画を練習方法や投球、打撃フォームの参考にするなど球児の気質も以前とは大きく変化している。県内の監督も今の時代に合った指導の在り方を模索している。

 「家でバットを振れと言ってもスマホを触る子の方が多いだろう」。聖カタリナ学園監督の越智良平は苦笑いする。ネットで容易に答えを見つけられる半面、「自分でやり込んでつかんだものがないことが多い。分かることとできるのは違う。その辺、今の子は飽きやすいし浅いな」と感じている。

 「昔はこうだったと言っても通じないし(スマホを)あかんと言っていても駄目。使い方を教えて、バットを振る習慣を最初からつけさせるようにこちらが指導を変えないと」と思案顔だ。怒られることに慣れていない選手も多く、失敗や間違いの指摘の仕方などにも気を配るという。

 「スポ根」の象徴だった高校野球界ではかつて、指導者による鉄拳制裁や深夜に及ぶ長時間練習など、部活動の範囲を逸脱した理不尽な指導がまかり通っていた。ある甲子園出場経験者は「試合に負けた日には夜中の0時を超えても練習をしていた」と振り返る。

 「厳しい練習だけでは選手がついてこないし、今の時代に受け入れられない。教える側と教えられる側のふれあい、信頼が大切」。松山商で全国制覇を果たし、1990年に新田でセンバツ初出場準優勝に導いた名将・一色俊作が当時語った言葉だ。

 平成が終わろうとしている現代の監督たちも、技術習得と同様に人間形成を重視した指導に力を入れている。越智は「人間の土台がしっかりとしていないと技術は身につかないし、大事な場面で腹がくくれない。技術を動かすのはハート」と言い切る。

 今夏の甲子園でベスト4入りした済美監督の中矢太は「決して甲子園に出て優勝すればいいとか、勝てばいいというわけではない」と安易な勝利至上主義を否定した上で、「昔の古き良き時代の俺たちはこれで強くなった、熱血漢みたいなことが本当は必要なんだろうけど、そういうのがなかなか伝わらなくなった。すごく悩むところ」と率直に明かす。

 しかし、近年を振り返ると、県内の野球部では部員によるいじめや体罰などの不祥事が絶えない。古い体質はなかなか抜けないのかもしれないが、「そこを否定して新しいものをつくっていかないといけない」と中矢。指導者の強い意志と覚悟が求められている。

(敬称略)

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