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球音の行方 愛媛高校野球 新時代へ

(1)競技人口の減少 南予や島しょ部深刻

2018年12月17日(月)(愛媛新聞)

連合チームを含む60校59チームが出場した第100回全国高校野球選手権愛媛大会の開会式=7月12日、坊っちゃんスタジアム

連合チームを含む60校59チームが出場した第100回全国高校野球選手権愛媛大会の開会式=7月12日、坊っちゃんスタジアム

 「野球人口は間違いなく減っている。特に小規模校では部員が集まらない」。そう語るのは、1996年夏に松山商を全国制覇に導いた沢田勝彦(現北条監督)。名将と呼ばれる沢田でも、少子化が進む松山市北条地区での部員確保に苦慮しているという。

 県高校野球連盟への登録選手数(硬式)は、記録の残る82年以降は右肩上がりに伸びた。しかし2006年度の2297人をピークに減少傾向をたどり、18年度は1970人。1校当たりの平均は32・8人と全国で7番目に少ない。競技人口の減少は顕著だが、県高野連理事長の松浦彰浩は「人数よりも地域差の大きさが課題だ」と指摘する。

 今年の春季大会は、今治北大三島や弓削商船高専など4校が部員不足で参加を断念し、南予5校が二つの連合チームを編成。夏の愛媛大会で、津島と南宇和が大会史上初めて部員不足による連合チームで出場するなど南予や島しょ部での部員不足が深刻化している。

 そんな中、夏の単独出場にこだわった学校がある。ボートや陸上、卓球部から助っ人を呼んで出場した今治北大三島。同校は19年度の入学生が30人以下の場合、20年度に生徒の募集が停止される。存続の危機が迫る中、ナインは分校化して初めて、チームとして16年ぶりの白星を挙げて16強入りを果たした。

 「島から出なくても野球ができるんだと地元の中学生に伝えたい。そのためにも学校の名前で戦いたかった」と監督の先田寿志。全員が大三島出身のチームの健闘は、地元に明るい話題を届けた。

 一方で県内の監督らによる新たな普及の動きも始まっている。「野球に触れる機会がないまま他のスポーツを始める子が多い。幼少期に野球との接点をつくる取り組みが必要だ」。甲子園の常連、今治西監督の大野康哉も競技人口の減少に危機感を強める一人だ。

 今治地域の高校で協力し、今年10月から市の主管で野球やソフトボールの経験がない小学生を対象にティーボール教室を始めた。県高野連も今年3月、松山市の総合型スポーツクラブと連携した教室を開き、小学生や幼児へのアプローチに意欲をみせている。

 スポーツの多様化も大きく影響する。17年の愛媛国体を機に、県内では各競技の育成強化が進み、アーチェリーなど新たな部活動も誕生した。「昔は野球しかなかった。子どもたちがそれぞれの競技で全国を目指すのは素晴らしいこと」。1967年に新居浜商で選抜大会に初出場した合田養のように好意的に受け止める関係者もいる。

 多くの選択肢から高校野球を選んでもらうためにはどうするか。継続的な魅力発信に加え、楽しんで競技を続けられる環境整備にも目を向ける時代が来た。(敬称略)

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