秋季四国高校野球・四国地区大会
3日目 準決勝【松山聖陵 5-3 富岡西】松山聖陵 初の決勝 富岡西に5―3
2018年11月4日(日)(愛媛新聞)

【富岡西―松山聖陵】7回表松山聖陵1死、大村が左越え本塁打を放ち4-3とする=レクザムスタジアム

【富岡西―松山聖陵】7回表松山聖陵1死、大村が左越え本塁打を放ち4-3とする=レクザムスタジアム
【評】松山聖陵が終盤に長打攻勢で得点を重ね、粘る相手を引き離した。
初回に大村、坂本の連打と四球で無死満塁の絶好機をつくり、4番折田の内野ゴロの間に先制。さらに新城の右前適時打などで2点を追加した。3―3と追い付かれて迎えた七回、大村のソロ本塁打で再びリードを奪い、八回にも新城が適時三塁打を放った。
先発平安山は6回3失点。2番手の根本が失点を許さず締めくくった。
◆粘り負けなかった◆
【松山聖陵・荷川取秀明監督の話】 投手を中心に粘り強い相手に対し、粘り負けなかった選手たちをたたえたい。(七回の本塁打は)大村がみんなの気持ちを乗せてスタンドへ運んでくれた。決勝も挑戦者の気持ちで臨む。
◆走塁ミス痛かった◆
【富岡西・小川浩監督の話】 打者は低めの球に手を出さずよく我慢し、下位打線もつながった。しかし、七回の走塁ミスが痛かった。投手も四球を出しすぎた。不用意な四死球を減らせれば四国や全国でも勝負できる。
◆要所でのフォーク◆
【松山聖陵・根本主将】(七回途中からリリーフ登板。3回無失点)「厳しい展開だったが、要所でフォークが低めに決まったのが大きかった。選抜大会での一勝に向けて、決勝も自分たちにできることをしっかりやる」
◆高めのカーブ狙う◆
【松山聖陵・新城左翼手】(3安打2打点)「相手投手に対してチームバッティングを心掛けた。(八回の適時三塁打は)高めのカーブをつぶすイメージで打った。神宮大会出場を目指して、気を引き締めたい」
【1番の一振り 勝利呼ぶ】
内角低めのスライダーをコンパクトに振り抜くと、打球は勢いが衰えることなく真っすぐにスタンドインした。追い付かれた直後の七回。左翼席に運んだ大村の一発が嫌な空気を振り払い、再び松山聖陵に勝機をもたらした。
「平安山が打たれて流れが悪かったので、ここで一本出せればと思っていた」と大村。初回に得点して以降は苦しんだ相手右腕の変化球を完璧に捉え、「狙ったわけではなかったが、入ってくれてよかった。うまく打てた」と笑みがこぼれた。
夏以降は「タイミングとボールの見極めに力を入れてきた」という。この日も変化球はタイミングを、直球はセンターからライト方向に打ち返すことを意識し、本塁打を含む4打数2安打1四球と活躍した。
苦手としていた守りでも、五回にライナー性の打球を「絶対に後ろにそらせないように意識していた」としっかり捕球し、ミスなく守りきった。
初の決勝に臨むナイン。大村は「チームの勝利に貢献して優勝したい」と栄冠に向けて気を引き締めた。