秋季四国高校野球・四国地区大会
第2日 準々決勝【帝京第五 6-10 富岡西】帝京第五 守備で泣く 富岡西に大量失点
2018年10月29日(月)(愛媛新聞)

【帝京第五―富岡西】3回表帝京第五2死二、三塁、宮内の2点適時打で二走・片岡(中央)が生還し、6―8とする=レクザムスタジアム

【帝京第五―富岡西】3回表帝京第五2死二、三塁、宮内の2点適時打で二走・片岡(中央)が生還し、6―8とする=レクザムスタジアム
秋季四国地区高校野球大会第2日は28日、香川県のレクザムスタジアムなどで準々決勝4試合を行った。愛媛3位の松山聖陵は川島(徳島1位)に5―1で勝利し、ベスト4入りを果たした。愛媛1位の帝京第五は富岡西(徳島3位)に6-10で敗れた。
大会第3日は11月3日、同スタジアムで、富岡西-松山聖陵、高松商(香川1位)―高知商(高知1位)の準決勝2試合を行う。
【評】帝京第五は計7失策と不安定な守りで大量失点し敗れた。
先発片山は初回に2点を失うと二回も四球や送球ミスも絡み失点。代わってマウンドに立った伊吹も勢いを止められずこの回6失点。七回もエラーで先頭打者に出塁を許し、2点を追加された。
打線は初回、相手守備の乱れから1死三塁とし、敵失で先制。6点を追う三回にも迫間の2点二塁打と宮内の2点適時打で2点差まで迫ったが、四回以降、得点できなかった。
◆普段通りにできず◆
【帝京第五・小林昭則監督の話】普段通りのプレーをすればいいのに完全な自滅。投手につられて野手もばたついてしまった。相手投手にも流れに乗って最後まで投げられた。チャンスもつくったが、これでは勝てない。
◆投手助けたかった◆
【帝京第五・片岡捕手(五回に好送球で三盗を防ぐ)】「県大会から守備で流れをつくってきたが、エラーが重なって打撃にもつながらなかった。(五回は)1年生投手だったので、何とかカバーしてあげたかった」
◆後ろ意識し打った◆
【帝京第五・井上二塁手(2安打を放つ)】「序盤の入りが悪く、集中力を欠いてミスが出てしまった。(三回は)後ろにつなぐ意識で打った。夏に向けて失策を0にし、チャンスで一本打てるよう練習していく」
◆勝てたのが不思議◆
【富岡西・小川浩監督の話】不思議な勝利だった。なぜ負けなかったのか確認しなければいけない。投手の出来が悪すぎるし、ミスを減らさないと上では勝てない。しっかりと修正して準決勝に臨みたい。
【序盤に意地の反撃】
県大会では4試合で2失策と安定した守りを見せていた帝京第五ナインだったが、初戦の緊張からか動きが硬く、精彩を欠いた守備で勝利を遠ざけてしまった。
先制した直後の初回の守り。けん制ミスから二塁走者に生還を許し、犠飛で1―2と逆転される。さらに二回も四球とエラーで無死一、二塁に。ここでもけん制が乱れて走者はそれぞれ進塁、大量失点につながった。先発を任された1年生エース片上は「チームに迷惑を掛けてしまった」と言葉を絞り出した。
二回途中から登板した2番手伊吹も、エラーと適時三塁打などで失点を防げず、序盤から大量リードを許す展開になった。
それでも直後の三回に意地を見せた。6番迫間が「失点した直後のチャンスで打てて良かった」と2点タイムリー。2死二、三塁の場面で宮内も「何が何でも点が欲しかった」と右翼へ運び2人を生還させた。2点差に詰め寄り相手を射程圏内に捉えたものの、その後の好機は「焦りが出た」(迫間)と生かせなかった。
「守備でのエラーをなくしたい」。主将迫間は自らの言葉で課題を再確認し、夏に向けての成長を強く誓った。