愛媛県が特許出願
養殖ブリの餌に「チョコ」、鮮度保持の新技術
2018年10月23日(火)(愛媛新聞)

(上)生け締め後、切り身にして2日目の養殖ブリ。血合い筋が褐色に変色している(下)生け締め後、切り身にして5日目のチョコブリ。鮮赤色の血合い筋を維持している(県提供)

(上)生け締め後、切り身にして2日目の養殖ブリ。血合い筋が褐色に変色している(下)生け締め後、切り身にして5日目のチョコブリ。鮮赤色の血合い筋を維持している(県提供)
【12月にも市場へ】
県は22日、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールを養殖魚の飼料に混ぜて与えることで、血合い筋の変色するまでの期間を通常の2日から5日に遅らせ、鮮度を保持する新技術を発表した。県と水産加工・販売会社「宇和島プロジェクト」(宇和島市)が特許を出願中で、養殖ブリ「チョコブリ」は早ければ12月に市場に出回る可能性があるとしている。
県によると、養殖ブリは脂の乗りがよく海外でも評価が高いが、生け締め後、切り身にして2日程度で血合いが褐色に変色。刺し身として提供できず、流通量を増やす上で課題だった。
県はポリフェノールが酸化を抑制することに着目。チョコレートメーカーから提供されたチョコを飼料に約10%混ぜ、出荷前の養殖ブリに20日間程度与えると、生け締め後切り身にして5日目も切り身の鮮赤色の血合いを維持できた。
県は、チョコブリの生育経費はブリ1キロ当たり通常より15円高いが、チョコレートではなくカカオバターの使用などによるコスト削減も想定する。