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県美術館で開催中

秋の県展・前期展、受賞作品

2018年10月23日(火)(愛媛新聞)

 第67回秋季県展(県美術会、愛媛新聞社など主催)の前期展(洋画、版画、写真、デザイン)が28日まで、松山市堀之内の県美術館南館で開かれている。審査評などから一般や会員の受賞作品を紹介する。

 

中野敬「in my heart」

中野敬「in my heart」

中野敬「in my heart」

中野敬「in my heart」

【洋画 出品数減も個性主張】

 出品総数は452点で前年比19点減だったが、それぞれ個性を主張し、心に強く訴える作品が受賞した。

 県美術会大賞の中野敬「in my heart」は、画面の内から人のあらゆる思いや感情があふれ出る様子を鋭く表現した完成度の高い抽象画。コテを使って多数の線を描く斬新な技法も注目を集めた。

 中岡満義記念賞の日田広香の「名残」は、朽ちゆく木造倉庫を描いた。現代の空き家問題を直視し郷愁を誘う力作。

 特選の中から。松良昭子「阿修羅」は災害に遭った身近な人を思い、平和の祈りを表現。背後の春の山は再生への息吹を感じさせる。岩崎修「山門」は、下から見上げる難しい構図を巧みなデッサンでものにした水彩の好作品。

 会員優賞は、明快な色使いと大胆な筆致で楽しさを表現した浅野洋子「ジャグリング」、草花に囲まれて物思う女性の情感を描いた武村聖恵「ひみつ」。準会員賞は、巧みな構成と鮮烈な色彩が印象的な石津美智子「初夏の花束」など。

 

岡田真美「わしらの宴」

岡田真美「わしらの宴」

岡田真美「わしらの宴」

岡田真美「わしらの宴」

【写真 訴求力を感じる白黒】

 出品総数は142点。カラーが大半を占めて久しい中、被写体への訴求力を感じさせるモノクロが多く出され、健闘した。

 県知事奨励賞の岡田真美「わしらの宴」は、スナップ写真の面白さが存分に発揮されている。高齢の男性3人がコップ酒を酌み交わすシチュエーションと表情のとらえ方が秀逸。

 特選は3点。皆川春奈「視線」は、スマートフォンに熱中する女性を、借景の鬼瓦が見下ろしている。着眼点が良くプリント仕上げも素晴らしい。長谷由美「思慕の雪里」は、雪降る山里の風景に赤い傘を差す人物を効果的に配し詩情豊か。一服の日本画を見ているようだ。二宮敏子「稜線に舞う」は雪山の斜面を大胆に切り取った。強風に舞う雪が印象的で、影の部分は画面を引き締めた。

 推奨は、夕暮れのコンビナートと田園風景を捉えた堀川正「共存」、老人の郷愁や不安感を表現した井上尚美「カモメが翔んだ日」、闘鶏の精悍(せいかん)さを活写した宮崎茂「誇り高き戦士」など。

 

高橋将太「平成頭痛」

高橋将太「平成頭痛」

高橋将太「平成頭痛」

高橋将太「平成頭痛」

【デザイン 完成度や技術が向上】

 出品総数は229点。全体的に完成度が上がり、中学生の出品もあり将来が楽しみだ。パソコン制作の作品が増え、技術的にも向上した。効果的か考えて、手書きと使い分けてほしい。

 県美術会大賞の高橋将太「平成頭痛」は、社会の不条理や先の見えない時代に対する若者の悩みをうまく表現している。年金手帳などのモチーフが目立ち、主題を理解しやすい。イラストやレイアウトが整理されていて、空きスペースの配分がきれいな仕上がりだ。

 特選では、奥川いずみ「回想」は全体の色味を青系でまとめた中に、ほのかなピンクが加わり未来への期待を連想させる。爽やかな出来栄えで、懐かしい青春時代を思い起こさせる。

 黒河飛翔「異世界植物展」は、独自の世界観が目を引く。植物学者の描く記録の絵のようなタッチで、これをポスターの題材にするのは珍しい。手描きの良さを生かした作品。大財菜々美「刹那の美」は、人物の表情を背景の空気感で際立たせており、技術とセンスの高さに感銘を受けた。

 

佐伯明美「善悪の知識の木」

佐伯明美「善悪の知識の木」

佐伯明美「善悪の知識の木」

佐伯明美「善悪の知識の木」

【版画 型染めなど技法多様】

 出品数は名誉会員2点、会員11点、準会員1点、一般21点の計35点。木版が半数以上を占め、スクリーンプリント、銅版、ステンシル、型染めなど多様な技法に意欲的に挑戦している。

 県美術会大賞の佐伯明美「善悪の知識の木」は、高度なメゾチント技法が光る。深い黒から明るさを浮かび上がらせ、人間の内面の複雑さや善悪のイメージを巧みに表現。ベルリン滞在の経験から、人間の生きる存在と不思議さを追求している作家で、3年連続で大賞に輝いた。

 準会員賞の合田順子「生」は、花と荒々しい大地が混然一体となり大きな動きをなして心を打つ。コラグラフ技法を生かし、繊細さと大胆さを併せ持った不思議な世界へ誘う。

 特選の宮崎和香「願いをこめて」は、シャボン玉で遊ぶ子どもを丁寧なシルクスクリーンで描いた。明暗のバランスがうまい。推奨の利藤大貴「夢の街」は、重ね刷りで色に深みを出し、どっしりと仕上げたのが見事。高評価の作品で、今後にも期待が高まる。

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