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話聞いて寄り添おう

被災児の心支える 西予で教員向け講演

2018年10月3日(水)(愛媛新聞)

「被災した子どもに対する教員の役割は大きい」と語るケア宮城の畑山みさ子代表=9月中旬、西予市野村町

「被災した子どもに対する教員の役割は大きい」と語るケア宮城の畑山みさ子代表=9月中旬、西予市野村町

2人一組になり、しっかり目を見て相手の話に耳を傾ける参加者=9月中旬、西予市野村町

2人一組になり、しっかり目を見て相手の話に耳を傾ける参加者=9月中旬、西予市野村町

「被災した子どもに対する教員の役割は大きい」と語るケア宮城の畑山みさ子代表=9月中旬、西予市野村町

「被災した子どもに対する教員の役割は大きい」と語るケア宮城の畑山みさ子代表=9月中旬、西予市野村町

2人一組になり、しっかり目を見て相手の話に耳を傾ける参加者=9月中旬、西予市野村町

2人一組になり、しっかり目を見て相手の話に耳を傾ける参加者=9月中旬、西予市野村町

【無理に聞き出さず 「学校 楽しく安全」伝えて】

 西日本豪雨からもうすぐ3カ月。仮設住宅に移るなど新生活を始めた被災者にとって心の支援が大切になる時期だ。中でも立場の弱い子どもを守るにはどうすればいいのか。多くの人が被災した西予市野村町でこのほど、教員向けの研修会があり、東日本大震災で心のケア支援に当たった「ケア宮城」の畑山みさ子代表が、心に寄り添い話を聞く大切さを説いた。講演の要旨を紹介する。

 心を支えることは専門家だけの仕事ではない。無理に被災時の話をさせず、相手が話したいときに耳を傾けるなど、関わる誰もが少しの配慮を心掛けることが支援につながる。

 大災害直後、多くの人に生じる異常な事態に対処するための正常な反応が急性心理反応。子どもの場合、発熱や赤ちゃん返り、地震ごっこや津波ごっこなどの反復遊びが挙げられる。ほとんどは時間の経過とともに消えるが、一部の人はフラッシュバックや悪夢、不眠などの心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ。

 例えば子どもの悪夢は、実際の被害ではなく怪獣が襲ってきたり、アニメの世界の恐ろしい出来事が自分の身に降りかかったりする。このように災害は、家が流されて、建て直したら終わりではなく、心に大きな傷を負う可能性がある。

 東日本大震災後は、つらい経験を思い出させる防災訓練をしていいのかという疑問も出た。深刻な想定を避け、基本的な対応法を確認すると良い。PTSDの中学生を訓練前に保健室に呼び、ここで過ごして大丈夫と伝えた上で参加を本人の意志に任せた事例もある。

 また大災害の後は集中力と記憶力が下がるので、クラスに落ち着きがないかもしれない。「静かにしなさい」と叱ったり遅れた勉強を取り返そうと焦ったりするのではなく、まずは学校が楽しくて安全な場所だと伝えるのが大事だ。

 学校生活では子どもが持つ、健康でいる力や問題に対して前向きに対処する力といった「内的回復力」を支援してほしい。心の安定のために何を話したいのか言える雰囲気をつくり、話を聞き出すのではなく、聞いて受け止め、心に寄り添うことが大切。そして一定の年齢に達した子どもには、自分も復興を支える一員であることを伝え、地域のためにできることを一緒に考えてみると良いと思う。

 

【目を見て感情受け止める 参加者、傾聴法学ぶ】

 講演の後、野村小・中学校の教諭や保育士ら45人がワークショップを通じ、相手の感情を受け止める傾聴法の基礎を学んだ。

 目の周辺に一番感情が表れるとの解説を聞いた参加者は2人一組になり、自然に話せる90度の角度で着席。相手の顔を見て、適切に相づちを打ちながら、最近うれしかったことを1分ずつ聞き合った。

 畑山代表は、傾聴は感情の受容と共感であり、聞く側は「良かったですね」などと言葉にするのが大事と助言。「子どもに対しても今のように目を見て、話の内容だけではなく感情を受け止めてほしい」と要望した。

 さらに「テストの採点をしながらだと子どもは『聞いてくれていない』と思う。聞く姿勢は大事」と冗談交じりに話すと、心当たりのある参加者から苦笑が漏れた。最後に4、5人の班に分かれ、1人ずつの話を全員で熱心に聞き、和やかな時間を過ごした。

 野村小1年担任の冨永加奈子教諭は「日々の仕事に追われ、できていない部分があった。もっと子どもに寄り添い、今日感じた心地よさを子どもにも味わわせたい」と話した。

 

 【はたやま・みさこ】宮城学院女子大名誉教授。東日本大震災後にケア宮城を立ち上げ、子どものために教師と保護者の心のケア支援研修会を開く。2011年度から17年度までに142回、延べ6千人に実施。プラン・インターナショナルと共に制作した小冊子「被災者の心を支えるために」は両団体のホームページから手に入る。

 

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