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[E4巻頭特集]10月号 

行列、売り上げ増、撮影テクニック… 県内「インスタ映え」ビジネス最前線

2018年10月1日(月)(愛媛新聞E4編集係)

迫力ある見た目が人気のパティスリーカフェ心結のパフェ

迫力ある見た目が人気のパティスリーカフェ心結のパフェ

迫力ある見た目が人気のパティスリーカフェ心結のパフェ

迫力ある見た目が人気のパティスリーカフェ心結のパフェ

 

 県内の企業や自治体が情報発信に会員制交流サイト(SNS)を活用する動きが盛んだ。中でも写真をメインに投稿する「インスタグラム(インスタ)」では、見栄えが良いおしゃれな写真は「インスタ映え」と呼ばれ、昨年の流行語大賞にもなった。写真映えで客が押し寄せる飲食店や話題性を狙って新商品を考案した店など、県内の「インスタ映え」をめぐるビジネスを追った。

 

 

【迫力ある見た目とパフォーマンス】

 平日の午後、東温市野田3丁目にある1軒のカフェに女性グループや親子連れらが次々と吸い寄せられていく。パティスリーカフェ心結(みゆう)は「インスタ映えする」と口コミやSNSで人気に火が付いた。

 客の目当ては桃やメロンなど季節の果物をぜいたくに使ったパフェ。みずみずしいフルーツを器いっぱいに盛り付けた迫力ある見た目と、食べる直前に目の前で果汁ソースなどをかけてくれるパフォーマンスが売りだ。夏のかき氷シーズンは開店前から行列ができ、ピーク時は待ち時間が2時間以上になる日もあったという。

 

パフェを食べる前に写真を撮る客=9月中旬

パフェを食べる前に写真を撮る客=9月中旬

パフェを食べる前に写真を撮る客=9月中旬

パフェを食べる前に写真を撮る客=9月中旬

 伊予市の実家に帰省中の秋田県大館市の公務員小笠原美弥さん(29)はスイートポテトがグラスの上にそのまま乗ったパフェを注文。「インスタで季節のパフェを見て、映える写真が撮りたくて来ました。いいね!を多くもらえそう」と満足げだ。

 心結の長尾治彦代表(50)は「テレビ番組で紹介されたときより反響がすごい。インスタ狙いで作ったわけではないといえども、それがないとここまでこられてない。店は苦節10年やってきて、たまたま(ブームの)大きな波に乗れているだけ」とありがたがる半面、人気ぶりに戸惑う。

 

【インスタグラマーの意見を参考に】

 インスタ利用者の中で特にフォロワー(その人の投稿を見るために登録した人)が多い人は「インスタグラマー」として一目置かれ、その発信力に企業も注目する。

 洋菓子店のフェアリー・テール(西条市)は今年、母の日向けの焼き菓子を愛媛のインスタグラマーの意見を参考にして作った。カラフルなメレンゲで作ったクッキーを棒に刺してキャンディーのようにして飾った商品で、形や色味、ラッピングなど随所にアドバイスを取り入れた。

 伊藤陽介社長(40)は「店のインスタのフォロワーを増やしたくて、販促としてコラボしたら面白いと思った。ショーケースを通して目で見る色と写真映えする色は違う。微妙な色味のセンスは勉強になった」と話す。

 発売後、「インスタを見てかわいかったから」と来店する客が多く「普段と違う客層を開拓でき、売り上げも10%ほど増えた」と手応えを感じた。「広告と違い無料で新規客を呼べる。クリスマスケーキも写真映えする商品を考えている」とSNSを味方に、話題性のある商品づくりに力を入れる。

 自店や商品にコメントした人には返信を欠かさず、その作業に一日1時間半を費やす。店に買いに来て「他の店は返信してくれないからもう行かない」と言う客もいたといい「インスタチェックは菓子を作るのと同じぐらい重要」と実感する。

 

フォトスタイリングの体験レッスン。講師(中央)のアドバイスを受けながら被写体が魅力的に見える構図を学ぶ=9月下旬

フォトスタイリングの体験レッスン。講師(中央)のアドバイスを受けながら被写体が魅力的に見える構図を学ぶ=9月下旬

フォトスタイリングの体験レッスン。講師(中央)のアドバイスを受けながら被写体が魅力的に見える構図を学ぶ=9月下旬

フォトスタイリングの体験レッスン。講師(中央)のアドバイスを受けながら被写体が魅力的に見える構図を学ぶ=9月下旬

【おしゃれな写真に仕上げるテクニック】

 ただ撮るだけではなく、ちょっとしたテクニックでよりおしゃれな1枚に仕上げる方法を学べるレッスンにも注目が集まりつつある。

 9月中旬、松山市内で「フォトスタイリング」の体験レッスンが開かれた。民間資格の日本フォトスタイリング協会1級インストラクターでフラワー・写真教室「フローラルローズ」(松山市)を主宰するタケウチチホ代表(40)によると、フォトスタイリングとは撮りたい物の背景や撮影場所、配置などを工夫し、主役である被写体の魅力を引き出す手法。画像を見せながら「かわいい写真はカメラの技術ではなくスタイリング力が鍵になる。撮るときに被写体のストーリーを考えることが大事」と説明した。参加した女性4人は熱心に聞き入り、かごに入ったドライフラワーや台の上に置いた化粧ポーチをスマホで撮影。「もっとアップで撮って」「かごに入れていると分かるように」などとアドバイスを受けた。

 タケウチ代表は「個人でパン教室やネイルサロンを開いている人やネットショップに出店している人が、ウェブに載せる写真を変えたいと受講するケースが多い。インスタが盛んになり、写真に対する皆の目が肥えてきた。写りがいいかどうかでアクセス数やフォロワー数が変わる」と視覚の重要性を強調する。

 

パンやスイーツの投稿が高い支持を集めるインスタグラマー「ゆりママん」こと元田汐莉さん

パンやスイーツの投稿が高い支持を集めるインスタグラマー「ゆりママん」こと元田汐莉さん

パンやスイーツの投稿が高い支持を集めるインスタグラマー「ゆりママん」こと元田汐莉さん

パンやスイーツの投稿が高い支持を集めるインスタグラマー「ゆりママん」こと元田汐莉さん

【フォロワー1万人、目標は「おいしく伝える」】

 1万人のフォロワーを持ち、企業とのコラボ実績もある四国中央市在住のインスタグラマー「ゆりママん」こと元田汐莉さん(30)に「映える」写真を撮るコツを聞いた。

 愛媛や香川のカフェやパン店を中心に投稿している元田さん。「おいしく伝える」を目標に、食べ物はアップで写すよう心掛けている。おしぼりは写さない、ケーキセットではケーキを手前に置いてピントを合わせるなど、ちょっとした工夫で見栄えはよくなるという。

 自然光を使うのもポイント。「カフェは暗めの落ち着いた店が多く、鮮明に撮れない。自然な光を求めて、寒くても窓際に座ります」と笑う。女性に多く見られるのが画像の傾きといい「カメラに表示される格子の補助線を使うとバランスよく撮れます」とアドバイスする。「どのカメラがおすすめ?が一番多い質問ですが、『撮るのが楽しい』という気持ちを大切にしたら、おいしく撮れると思います」と話している。

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