福井国体ビーチバレー男子
王者貫禄 愛媛に勇気 長谷川・庄司連覇
2018年9月12日(水)(愛媛新聞)
国民体育大会「福井しあわせ元気国体」の会期前競技は11日、小浜市若狭鯉川シーサイドパークなどで2競技が行われ、愛媛勢はビーチバレー男子の長谷川徳海・庄司憲右(県競技力向上対策本部)が決勝で千葉のペアを2―0で下し、昨年の愛媛国体に続いて2連覇した。
水球の少年男子の愛媛選抜は、1回戦で京都選抜に8―13で敗れた。
国体初代王者として追われる苦しみを乗り越えて連覇を達成し、愛媛代表として戦えたことに感謝する言葉が2人の口をついた。競技の注目度が高まる国体への特別な思い。攻守に体を張った庄司憲右は「西日本豪雨の被災者も見てくれていると思って臨んだ。勇気を届けたかった」と語り、長谷川徳海は「愛媛のみんなが『あいつら、またやったか』と思ってくれたらうれしい」と破顔した。
9日の予選では、地元の大声援を追い風に戦う福井ペアを相手に苦しんだ。長谷川は「昨年のありがたみを感じた」と愛媛国体での応援に思いをはせ、耐え抜いた。「愛媛では経験できないほど」(女子・福井美香監督)の強風に見舞われた10日も、国内外で試合をこなしてきた場数を武器に粘り強く戦い抜いた。
11日の準決勝と決勝では、強打とブロックで流れを変える長谷川と、しぶとく拾って緩急をつけた攻撃につなげる庄司のコンビネーションが光った。劣勢の場面は粘って耐え、流れをつかむと一気に引き離し、2試合で1セットも譲らぬ王者の貫禄を見せた。
アテネ、北京五輪に出場した楠原千秋監督の存在も大きい。長谷川は「オリンピアンが的確な指示をしてくれるのは強い」とチームによる勝利を強調する。長谷川の言葉に楠原監督は「(選手として出場した)昨年は優勝できなかったが、今年は別の形で優勝を味わえた。選手には感謝です」とほほ笑んだ。