ログイン
Myページ
Myページ

愛媛新聞ONLINE

2018
925日()

ログイン
Myページ
愛顔会員Myページ
MENU

野村育ち 不屈の太刀

豪雨で実家被災 菊池さん(東京)剣道歯科学生日本一

2018年9月3日(月)(愛媛新聞)

全日本歯科学生総合体育大会の剣道男子個人2段以上の部で優勝した菊池繁仁さん=8月30日午前、東京都品川区

全日本歯科学生総合体育大会の剣道男子個人2段以上の部で優勝した菊池繁仁さん=8月30日午前、東京都品川区

弟が撮影した実家周辺の様子=7月7日午前8時ごろ、西予市野村町野村(繁仁さん提供)

弟が撮影した実家周辺の様子=7月7日午前8時ごろ、西予市野村町野村(繁仁さん提供)

全日本歯科学生総合体育大会の剣道男子個人2段以上の部で優勝した菊池繁仁さん=8月30日午前、東京都品川区

全日本歯科学生総合体育大会の剣道男子個人2段以上の部で優勝した菊池繁仁さん=8月30日午前、東京都品川区

弟が撮影した実家周辺の様子=7月7日午前8時ごろ、西予市野村町野村(繁仁さん提供)

弟が撮影した実家周辺の様子=7月7日午前8時ごろ、西予市野村町野村(繁仁さん提供)

【強豪抑え 両親に恩返し】

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた西予市野村町野村の出身で、昭和大歯学部4年の菊池繁仁さん(21)=東京都大田区=が8月上旬、神奈川県横須賀市であった全日本歯科学生総合体育大会の剣道男子個人2段以上の部で優勝した。家族4人が暮らす実家や父(51)が院長の歯科医院が被災し、休診に追い込まれる中、苦境の家族や古里を勇気づけようと奮闘。日本一の座をつかみ取った。

 

 肱川(宇和川)が氾濫した7月7日朝、繁仁さんは大洲高3年の弟(18)からの電話で跳び起きた。「やばい」。1階の窓ガラスが割れ、水が流れ込んできたので2階に避難したという。その後、無料通信アプリLINEでやりとりしていたが、浸水の様子を伝える写真を最後に午後10時ごろ、連絡が途絶えた。心配で一睡もできなかったが、8日夜になってようやく電話がつながり、両親と弟、祖母の無事を確認した。

 自宅は約1メートル浸水し泥まみれ。院内も歯科ユニットなど多くの機器が故障し、壁や床は全て張り替えを余儀なくされた。診療再開まで約1カ月半を要した。剣道の稽古に通っていた乙亥会館も水没。大学の試験などで手伝いに帰れなかった繁仁さんは「何もできず悔しかった」と吐露する。

 8月4、5両日開かれた全日本歯科学生総合体育大会は、繁仁さんが出場する最も大きな大会。毎年応援に来てくれていた両親から「試合を見に行くことだけを楽しみに(復旧作業を)毎日頑張っている」と言われ、「優勝する姿を見せる」と決意。主将を務める部の練習や他大学での出稽古を重ね、決戦に備えた。

 

 繁仁さんは110人が出場したトーナメントを勝ち上がった。決勝の相手は強豪校出身の1年生。先に面で1本を奪うも、速さや技術のある相手に小手を完璧に決められて追い付かれた。「勝つにはこれしかない」。すぐに仕掛けて再び得意の面を打ち込み、接戦を制した。

 母(51)は泣きながら「おめでとう」と祝福。父も「来て良かった。勇気と感動をありがとう」とねぎらった。被災後、肩を落としていた両親の言葉に涙がこぼれた。

 繁仁さんは古里に思いをはせる。「大変な時期は続くが、復興の努力を続ければ元の楽しい日々が戻ると思う。野村は温かく、支え合いのある地域。自分もできることをやりたい」

    おすすめ記事

    発信!高校生記者

    連載

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。