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業界の未来へ新事業準備

支援の手 伝統紡ぐ 大洲、豪雨被害の養蚕場再開

2018年8月18日(土)(愛媛新聞)

蚕に桑の葉を与える滝本亀六さん。「蚕を好きな気持ちが老化を防いどる」と再開した仕事に精を出す=16日午後、大洲市多田

蚕に桑の葉を与える滝本亀六さん。「蚕を好きな気持ちが老化を防いどる」と再開した仕事に精を出す=16日午後、大洲市多田

 「52年、養蚕を休んだ年は一度もない。蚕がかわいくて」―。西日本豪雨で、養蚕場が浸水被害を受けた大洲市多田の滝本亀六さん(76)がこのほど、作業を再開した。市内の養蚕農家は、滝本さんと、同じ場所を使う兄の2戸のみという厳しい状況だが「利益が上がる道筋がつけば、若い人も挑戦できる」と未来を見据えた一歩を踏み出した。

 

 少なくとも祖父の代から3代続く養蚕農家の滝本さんは24歳で従事し、現在は年間約1100キロの繭を県外に出荷している。豪雨により養蚕場は約1・6メートル、近くの自宅も約60センチ床上浸水。年4回行う養蚕の2回目の時期と重なり、約15万匹の蚕が死んでしまった。

 生まれて初めての浸水被害で途方に暮れる中、多くの人に支えられた。県内の養蚕農家らと共にシルクの新産業創出事業に取り組む「リバースプロジェクトトレーディング」(松山市)の社員や近所の人などの力を借りて、豪雨の10日後には片付けがほぼ完了。山の桑畑が被害を免れたことも再開を後押しした。

 「よう食べよる」。今月16日、養蚕場には腕いっぱいに桑の葉を抱え、9月上旬に出荷予定の蚕に優しいまなざしで与える滝本さんの姿があった。隣ではリバース社の河合崇社長(44)も作業を手伝っていた。

 シルクの可能性に魅せられた河合社長には「シルクを通じた地方創生」という大きな夢がある。秋以降の実現を目指し、繭を生産する農業法人の設立、桑茶やシルク商品の販売などの準備を進める。

 滝本さんもこの取り組みに大きな期待を寄せ、技術指導などの面で協力する。「養蚕は斜陽産業というイメージが染みついとるが、新しい事業で収入が確保できればこれからも続いていけるはず。自分も元気なうちは頑張らないかんな」

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