ニューカレドニアと美しいサンゴ礁の水族館から
<10>テッポウウオ 水噴射で虫撃ち落とす
2018年8月17日(金)(愛媛新聞)


成長すると30センチほどになり、西太平洋やインド洋の河口にあるマングローブ帯の水路などに生息している。主に淡水と海水が混じりあう汽水域で生活しているが、時には淡水域でも見つかることがあり、広い範囲を泳ぎ回っていると考えられている。口から水を噴射して水辺にいる昆虫などを撃ち落として食べる習性から、この名前がつけられた。英名ではアーチャーフィッシュ(射手魚)と呼ばれている。
水面下から陸上を見ると光の屈折の関係で実際の位置とずれて見えるが、テッポウウオはその屈折を計算し水を飛ばして獲物に命中させることができる。個体の大きさにもよるが、最大で1メートル以上水を飛ばすことができる。ただし実際に水を飛ばして昆虫類を食べるよりも、たまたま落下した昆虫類やエビやカニなど水中にすむ生物をよく食べ、時には水面から大きくジャンプをして餌を捕まえることもある。
水族館などではおもしろい生態をもつ魚としてよく展示されており、「射撃ショー」と題して実際にテッポウウオが水を飛ばす様子を観察できるショーは人気がある。
(「エビとカニの水族館」館長代理・平井厚志)
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「ニューカレドニアと美しいサンゴ礁の水族館」は21日まで、松山市湊町5丁目のいよてつ高島屋で。=おわり