ニューカレドニアと美しいサンゴ礁の水族館から
<8>アカシマシラヒゲエビ 派手な体色 魚を掃除
2018年8月15日(水)(愛媛新聞)


白くて長い触角と背面にある白と赤のしま模様が美しいサンゴ礁に生息する小形のエビだ。英名では背面にある白い筋模様からスカンクシュリンプと呼ばれることもある。
魚の体表や口の中につく寄生虫などを食べるクリーナーシュリンプとして知られており、大形のハタ類やウツボ類、小形のチョウチョウウオ類などさまざまな魚をクリーニングする。アカシマシラヒゲエビがいる岩の隙間では、しばしばホバリングしながら口を開けたり、鰓蓋(さいがい)を広げたりしながらヒレを伸ばしてクリーニングをうける魚を観察できる。
通常サンゴ礁に生息する魚は小形のエビ類を餌とする種がたくさんいるが、アカシマシラヒゲエビはほとんど食べられることがない。これは白く長い触角や独特の体色、左右に体を揺らしながら動く行動などに秘密があると考えられているが、科学的な実証はされておらずあまりよくわかっていない。
太平洋やインド洋、紅海などのサンゴ礁や岩場に広く生息し、派手な体色と魚を掃除する行動を簡単に観察できることからダイバーに人気がある。
(「エビとカニの水族館」館長代理・平井厚志)
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「ニューカレドニアと美しいサンゴ礁の水族館」は21日まで、松山市湊町5丁目のいよてつ高島屋で。